みえちゃいました。


40年モノのRC改修現場の一幕。見た目がアレですが、補修すればよいです。むしろ、躯体は割りときれいで安心です。まだ使えるな。こういうのを見ると、別にかぶりが2cmなくても、ノロさえまわっていれば鉄筋が保護できているのがわかります。最近、かぶりにはとてもうるさいので、鉄筋屋には『自信なかったらちょっと小さめにせん断補強筋を加工してちょ』と言っていますが、構造耐力上はあんまり良くないですね。もうちょっと、さじ加減の利く規定にしてほしいもんです。やたらとかぶりの大きい施工も、OKといえばOKですが無筋が大きいのもなんだかなぁ、です。

私は、何かとこの手の補修に引き寄せられていますが、これはこれで実地の勉強になりますね。小梁の下端鉄筋が足りないと、ちゃんとひび割れが入ります。最上階の戸境壁に斜め補強筋を入れないと、ちゃんと斜めひび割れが入ります。こういうのって、教科書には書いてありますが実地で確認する機会はほとんどありません。己の設計の40年後が垣間見られる(あんまり見たくないが)本当に貴重な経験です。設計やっている人って、竣工したら終わりみたいな感じですが、実は使うのはその先何十年もあるのです。私は竣工後どーしよーもないやつの補修とかの時には強くそう感じました。そのあたりで、普通の設計をして正しく作ることが、良い建築への道のりであるという信条につながってますね。ツマラナイとよく言われますけど。

ひび割れや補修痕をみて、設計事務所が『大変だ!問題だ!』とかピーチク囀っていましたが、こんなものは直せばいいのです。本気でやばいのは、図面では3階建てのくせに現地行ったら7階建てでした!とか、敷地はみ出してます!みたいなものを言うのです。妻壁のひび割れは、漏水が心配ですが・・・・。ま、何とかなるでしょ。


事務所に別の構造事務所からRCルート3の相談持ち込み。まぁ、一緒にお話聞きましたが。

・階高と代表スパンは?
・地震時の平米あたりの重量は大体どれくらい?
・ラーメンと壁の持分はそれぞれどれくらい?
・メカニズムはどこで決まってるの?
・保有耐力時の変形角はどれくらい?
・この梁の配筋はいっぱい入っているけどなぜ?
・耐力壁の縦長開口の上の境界梁が設計してないように見えるけど大丈夫?
・柱の引張鉄筋比がえらく入っているけど大丈夫?
・仕口の設計用応力はメカニズム時?

何ひとつ答えを返してもらえませんでした。会社員の時の検図で部長が怒り狂っているのが何故か、すごく実感しました。そりゃ怒るわ。あんた、いったい何を設計してるん?と聞きたくなります。そして私の怒りのボルテージが上がるのは、こんな基本的なことを、年上で実務をバリバリやってます的なことを言っている人間に言わないといけない状況にです。いや、そりゃねーだろと思います。
割とカルチャーショックなのは、現代では形どおりに計算モデルに入れて、出てきた応力なりに設計するのが主流だということです。変な段差とか、斜め壁とかそのままモデル化しています。斜め壁なんて、もやっとした応力になって、結局モヤモヤしたまま終わるんだから四角に置換するとかしないんですね。ってなお話を大手組織設計の人とお話したときに、『君みたいにモデル化する能力は不要で、形どおりに入れてOK出すほうが大事だよ』と言われてちょっとショックでした。時代は変わるもんじゃのぉ〜。
若いころは、割と忠実にモデルを入れていましたが、年とともにだんだん面倒になって、簡略化したモデルで大枠は設計しておいて、気になる細かいところだけ部分検討をして、とにかく省力化してエレガントさを求めたものですが、時代遅れですね。ここ1年、有限要素法なんて不要の設計をしていましたが、時代にはマッチしていないみたいです。


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今週の土曜日はvitaちゃんの予約開始日。って、ぜんぜん仕様が分からんのだが。PSアーカイブができないのなら購入見送りだなぁ。


ギルティクラウンPV

IGの新作。覇権となるか?
あやとり見ると、F91のバイオコンピュータの配線を思い出しますね。