雪・雪・雪

雪下ろしは超困難 妙高市新井小学校の新校舎

同社に(1)雪下ろしをする前提で設計した建物か、(2)雪への設計上の配慮、の2項目についてメールで質問を送ったところ次のように回答が寄せられた。

 (1)本建物は積雪荷重3.0mで設計されておりますので、それを超えるような積雪の場合は、雪下ろしが必要となります。
 (2)積雪荷重については、法定基準の2.5mを上回る3.0mで設計を行っております。

構造設計上は、30N/m2/cmで設計しているだろうし、雪下ろし表示もしているので問題ないのですが、この記事が言いたいことはそうじゃないんだろうなぁ。地震と違って、この手の問題はちょっとしたデザインで解決できる話ですので。
かといって、東京の設計事務所を設計ミスだとなじるのもなんだか本質ではないような気がします。
この手の設計だと、明らかに地元の設計事務所のほうが良く知っているでしょうし適任だったかと思います。
むしろ、どんな土地に行っても同じような設計をすることのほうが問題がありそうです。その土地の風土を良く調べて設計するようにというのは教科書に書いてあるのは知っているのですが、これが非常に困難です。半そでで東京で設計していては、雪のことは何もわからないでしょう。大体、日常的に雪かきをしている人間でないと、雪かき動線なんて考えもしないです。
では、多雪区域の規準を厳しくすれば良いという話でもないし。
設計屋としては、とても難しい問題だと思います。



スロバキアのアイスホッケー場が雪の重みで崩壊。
雪で崩壊するのはチラホラ聞きますが、動画が残っているのは少ないです。
どんな構造形式なのかはよくわかりませんが、多分アーチ形式でしょう。
思いのほかゆっくりと崩壊が進んでいます。構造計算では、応力は一瞬で伝達する前提になっていますので、部材の崩壊速度を解析することは非常に困難です。曲げ破壊系だと、応力再分配が起きて逃げる時間が稼げているのだと思います。
ニュースでは、けが人もいなかったようで一安心。


栄村、積雪で橋落ちる 地震で損壊、通行止め中
橋脚がずれていたので、足を挫いてこけた感じでしょうか。
雪ごときで橋が落ちるようでは、日本の土建屋が泣きますね。むしろ、補修すれば大丈夫だったものを放置する行政に問題の本質があると思います。こんな情けない崩壊が起きていながら、公共工事は無駄使いであると言える神経が良くわかりません。


アイスドーム有終の美 東海大旭川キャンパス あすから一般公開
25mスパンとはやるな!!なかなか壮観です。
私は、トマムリゾートのアイスビレッジでこれと同じドームを作成するのに、学生時代に土方要員で参加しましたが、なかなか面白かったです。強烈に寒い上に、夜通し作業を毎日するのでとても大変でしたけど。
シェルの厚みとかはすっかり忘れていましたが、かなり薄かったと思います。10m弱のスパンで150くらい?ちょっと記憶が定かでない。
研究している粉川先生とも宴会しましたが、先生いわく『クリープ変形で厚みが決まる』らしいです。先生の野望としては、南極点にスパン50mのアイスシェルを作成してそこで国際平和会議の開催らしいです。なんかそれっぽい。

http://www.snowtomamu.jp/winter/snow/village.php
なかなか幻想的に光るメロンパンですよねぇ。
形がメロンパンなのは、シェルの型枠代わりにケーブル補剛のエアドームを使っているからです。なかなか趣深い構造形態となっています。というわけで、アイスシェルはかまくらとはまったく違う製造方法なんですよ。