読了めも

大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)

大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)


『貴公、今の政治をどう思う?』
オーディションの台詞じゃねぇ。
朝っぱらから3件書店をはしごして確保。
増刷遅いよ!何やってんの!
1巻とは打って変わって町工場の再生事業。ええ話やな〜。
最初の事務所は四谷に構えていましたが、広さ的にも場所的にも作中の家賃は大体あってますね。この辺の金銭感覚は、働いて何年か経つサラリーマンしかわからんと思うのですが、やっぱり中高生が読んでもわからないラノベです。「ハゲタカ」でも企業再生が取り扱われましたが、あっちは規模がでかすぎて分からん。その点、筆者はベンチャー出身ということで身近な経済感覚だなぁ。
なんにせよ、ひまりんペロペロ(^ω^)
次は10月。話の進み方からして、こりゃ全10巻のマラソンだな。


煙突の上にハイヒール (光文社文庫)

煙突の上にハイヒール (光文社文庫)


作者の作品はだいぶ読んでいますが、良いなぁと思うのはテクノロジが人間のスキルの延長上として描かれていることです。『レーズスフェント興亡記』ではテクノロジは何も出てきませんでしたが、街づくりというスキルは登場しています。テクノロジというと、なんだか生活と隔絶したイノベーションの先にあると勘違いされていることが多いですが、何のことはない日常のスキルの延長上に過ぎません。
私もそのスタンスなので、面白く読めるのでしょう。SF物からすれば評価が低いというのも頷けます。
短編の最後の『白鳥熱の朝に』は間に合わなかったテクノロジの悲劇ですね。間に合わなかったとしても、失うものが大きいですがすべて終わりではないのです。


ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)

ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)


念願の復刊。ファミ通文庫は結構なお値段で取引されていたのでどうしようかと思っていた矢先の復刊でうれしい限り。
『ふわふわ1万倍の法則』は建築屋とか土木屋にはない発想だなぁ。主人公が材料屋だけはある。
自分が建築屋なのでアレですが、基本的な発想は『冷蔵庫の中のあまり物で何ができるか?』なんですよね〜。基本的に作るものが人間的なスケールを超えているので、どうしても安価で取り扱いやすくて適当にやっても大丈夫そうなものをかき集めて、これまた適当にやっても大丈夫そうな工法を選定したがります。そりゃ、いろいろな人が寄ってたかって1つのものを作るので、意思疎通は上手くいかないこともあるし手抜きをする人もいる。すると、冗長性の高いモノにならざるを得ないのです。
逆に作中の主人公は、典型的な『ヒマラヤ奥地でとんでもない新素材を発見してしまった。これで何ができるだろう?』という発想なのです。この発想は普通の建築屋では絶対にない発想なので新鮮ですね。材料屋の鑑です。
で、ふわふわを使っていろいろと超巨大土木物を作ってしまうわけですが、自重が劇的に軽くてそこそこ強度が見込めるというのは、建築材料として理想的です。比強度がべらぼうに高くて安価なのは、とっても魅力的。柱はこれでOKなので、あとはスラブ・梁に使うのにヤング係数がどうかかな。
作中で『建築は自重との戦いである』と書いてあったのですが、その通り。いまだに地震で建物が倒壊すると思っている構造屋が多くて困る。倒壊のプロセスは、地震による損傷を基点として、自分自身のポテンシャルエネルギで倒壊するんだけどなぁ。だから、建築が軽いというだけでとてつもないアドバンテージなんですね。地震による水平力もニュートンの法則から、質量に正比例するわけで、質量を減らせばその分だけ水平力も小さくなると。



そこそこのレベルでフルメタしているのですが、あくまでソコソコなんだなぁ。


ROMES 06 まどろみの月桃

ROMES 06 まどろみの月桃


放射性廃棄物のドラム缶の隠し場所に無理がある。いくらなんでも、金掴ませてもそこまではできないわ〜。
日本ではエスピオナージ小説は絶対にはやらない中で、コンスタントに本を出してるなぁ。