ふぁしずむ!

特集ワイド:息苦しさ漂う社会の「空気」 辺見庸さんに聞く

「そういう、銃剣持ってざくざく行進というんじゃない。ファシズムはむしろ普通の職場、ルーティンワーク(日々の作業)の中にある。誰に指示されたわけでもないのに、自分の考えのない人びとが、どこからか文句が来るのが嫌だと、個人の表現や動きをしばりにかかるんです」

うーん。こんなん、働いていたら日常茶飯事ですわ。役所から面倒な指摘が来たら嫌だから、ちょっと保守的な設計にするとか、現場に文句言われないように簡単な配筋にするとか。むしろ、これをファシズムと言ってしまうと、周囲の空気を読んで動くことは何でもファシズムになります。というか、結論にそう書いてあります。
働いていない人はともかくとして、普通に働いている人は何でもかんでも全部議論する時間なんてありません。精神と時の部屋に入らない限り。限られた時間内で、それなりのことを遂行しようとすると飲み込む言葉もあります。はたしてこんなことがファシズムでしょうか?
私に言わせれば、こんな文脈で語るファシズムに全く意味がありません。

今の政権の勢いだと、いずれ戦術核の議論までいくんじゃないですかね。マスコミの批判は出にくいしね

議論できない空気であると書いておいて、なぜか結論が議論が始まるという激しい矛盾。健忘症なのでしょう。はよ引退してください。
ファシズム』『ヒトラー』『独裁者』、この辺の単語が出てきたら、まず大したことは言っていません。ついでに、唐突に出てくる『グローバル企業』『新自由主義』この辺もバズワード一種ですね。何か言っているように聞こえるけど、実際には何も言っていない。

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))


こういう本を読んで、『あぁ、だから日本人は空気に流されやすい変な民族なのか』と考えてしまうあなた。確実に空気に取り込まれています。大体、世界で一番空気に弱いのはアメリカ人です。むしろ、日本がアメリカ化しているからこそ、空気に弱くなったのだと思っています。
私は空気と呼ばれるものが『熱気(fever)』と呼ばれる状態でない限り、適当に空気を読んでやればいいと思います。省エネですし。ただし、fever状態になれば盛大に冷や水をかける必要があります。まぁ、一般大衆はどうでもよくて、エリートどもが根性を出して遂行すればよいだけの話なので、ほとんどの人には関係ないですが。

この手のファシズムや民主主義。普通は中学生や高校生の頃に『銀河英雄伝説』を読んで考えます。まったく、最近の若いモンはアニメや漫画を見ないから不勉強で困る。
銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)


あとは、十二国記で取り扱われているのは完全な独裁制です。独裁でありながら、王の資質とは?に思いをはせるというものです。
風の万里 黎明の空(上) 十二国記 (新潮文庫)

風の万里 黎明の空(上) 十二国記 (新潮文庫)


ついでに、コードギアスでも良い。議会を武力制圧して『さあ民主主義を始めようか』と不敵な笑みを浮かべるルルーシュ。

平均的日本人は、独裁というのは良くないものだと反射的に思ってしまいます。私もそうです。が、世界には独裁国家って結構あるのね。有名なのは中国。まぁ、あんなもんです。あとはシンガポールなんかも強烈な独裁国家です。明るい北朝鮮と呼ばれるほどのブラックっぷりです。グローバル企業(!!)に優しいのは、株式会社シンガポールとしての面目躍如。
先ごろ亡くなりましたが、「中央アジアの金正日」と呼ばれたトルクメニスタンのサパルムラト・ニヤゾフ。これがまた、マンガでもなかなかお目にかかれないようなお笑い独裁者です。

82 名前: こんせんくん[] 投稿日:2008/05/26(月) 11:24:31.08 id:hIYE8dBl0
 トルクメニスタンの独裁者・ニヤゾフ大統領伝説

 「俺メロン好きなんだよメロン」
 →8月の第2日曜日をメロンの日に制定

 「田舎の人は本なんか読まないだろ・・・」
 →首都と大学を除く図書館の廃止を命令

 「若者のヒゲとかロンゲとか見苦しすぎだからやめろ」
 →若者のヒゲと長髪を禁止

 「医者とか首都にいればいいよ。あ?病人?首都に来い」
 →首都を除く病院を閉鎖

 「俺ガン手術で禁煙中なんだよね」
 →国内における喫煙の完全禁止、禁煙国家完成

 「親の面倒は子供が見るもんだろ・・・」
 →年金制度の廃止

 「女は小麦色の肌が美しいハァハァ」
 →TVのニュースキャスターの化粧を禁止

 「ペンギンかわいいよペンギン」
 →動物園には必ずペンギンを入れなければならない

 「お前ら健康に良いのになんでマラソンしないの?」
 →健康のため、閣僚に36km走らせた

これだけ見れば典型的な暗愚なのですが、トルクメニスタンがそれなりに資源があって、飯が食えているのでテロリズムなどとはそんなに縁がありません。『とりあえず資源うっぱらって、大衆にはテレビでも見せときゃいいんだよ』的な国家運営。当然西側の人権団体やマスコミからはボロクソに酷評されていますが、飯が食えている以上そんなに不幸ではないかもしれません。
永世中立国だったり、日本の常任理事国入り賛成という超お手軽リップサービスをしてみたりと、わけのわからん国ですわ。