DHMOに気を付けろ!

「一酸化二水素」ジョークで、米国のラジオ番組DJが無期限謹慎処分に
震災直後に日本でもありましたねぇ。非常に使い古されたジョークではありますが、知らない人の方が多いんじゃないかな。

DHMOは水酸の一種であり、常温で液体の物質である」「DHMOは溶媒や冷却剤などによく用いられる」などのように化学物質として解説したうえで、毒性や性質について否定的かつ感情的な言葉で説明を加える。その後、「この物質は法で規制すべきか」と50人に質問をすると、43人が賛成。6人が回答を留保したのを除いて、DHMOが水であることを見抜いたのは1人だけだったという。

DHMOの教訓としては、正しい科学知識を持って物事を判断しましょうということだと思うのですが、そもそも考えることを放棄した人には通用しないというジレンマがあります。例えば、DHMOジョークで語られる化学的な性質を聞いて判断するためには、高校の理系でそこそこ真面目に勉強している必要があります。あとは、高校英語では習わない英単語であるOxygenとかhydrogenを知っている必要があります。この辺で大多数の人間はついていくことはできません。50人中1人しか見抜けなかったというのは、統計的に結構正しいと思うのです。
では、この手の話に対してどのように対応するか。多分、一番まともな対処方法は保留することです。分からないから、棚上げする・保留する。これが一般人にとれる一番正しい対処法だと思います。少なくとも実験では10%程度の人が保留の態度をとったということは、それなりに考えることができる人がそのくらいはいるということです。せめてこれが20%になってくれると、もうちょっと住みやすい世界になると思うのに。

DHMOはジョークですが、ニュースではこの手の間違ってはいないけど正しくない情報が氾濫しています。

・マスコミが年金崩壊だーと騒げばすぐ乗って、納めてる奴をpgrする
・マスコミが公務員叩けば公務員を憎悪する
長周期地震動で超高層が1mも変形する!
・活断層だらけで住めない!
・財政破綻だー
・人口減少に伴い経済縮小するから働かなくてもいい

などなど枚挙にいとまがありません。それぞれの事象に対していちいち考察を加えることは、一般の人には非常に困難なのでどうでもいいと思います。が、世間的に教養のある人間ですらこの手の話に引っかかってしまうというのが最大の問題かと。個人的には偏差値60くらいの人間が、根拠のない自信を持っているので一番厄介かなと思います。