貧乏設計からの脱却

世間はアベノミクスに対してどういうスタンスなのでしょうか?私は金融緩和+財政出動に大賛成・成長戦略はどうでもいい派です。なぜか?建設業界のお仕事が増えて、私個人としては面白そうなお仕事が増えるからです。
いい加減、貧乏設計から脱出したいのですよ。
構造設計における貧乏設計と言えば。

小梁は全部ヘロヘロの裏サイズ細幅で不完全合成梁
特記なき限り鉄骨天端はFL-130とする
直押えの10mmはかぶり厚さに含む
超高層なのに柱が冷間成型角型鋼管
D25くらいまでは重ね継手

その他もろもろありますけど。超高層くらいシャキッとB-BOX使わんかい!とか、表サイズで設計したいお!とか、ごちゃごちゃ言わずにスラブは150mmにせんかい!とかね。基本私の設計はヘロヘロ設計なのですが、この事態に気が付いてくれる人もいないのが重症ですわ。躯体図でプクプク増し打ちしてくださっている割に、『コストがきつい』とか抜かす設計者を殴ってやりたい。
逆に個人住宅はオーバースペックだよなぁと、いつも申し訳ない気持ちになるんです。
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デザインの方でも、カスみたいな打ち放し補修とかでいいのかいつも疑問です。聞くと『お金がないから』とか言うのですが、金あったとしても金に見合った設計ができないんじゃないかと邪推してしまいます。
便所タイルが不本意だけど、やっぱり金ないから便所タイル貼っている人は別として、そもそも『かっこいいものを設計したい!』という欲望が根本的にない設計者が多い気がします。『誰々がこう言ったから』とか聞きたくないのですよ。
写真は常滑で焼いたタイル。室内も漆喰仕上げにしちゃったり、豪邸とはこういうもののようです。
私としては、『便所タイルからの脱却』を目指せない設計者はアトリエに向いてないと思います。

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クレーンのおっちゃんが暑そうです。まだ暑くなってないので、体ができていませんね。
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ウルトラピンボケ写真。あかんやつや・・・・。
現場監督がノギスも持たずに現場管理しているのでシバキ倒す。


このデジタルノギス、超安い。超性能低い。ノギスとしてはゴミですが、圧接径測るくらいはできるので現場で重宝してます。私は2mmが計測できれば何でもいいのですが、ノギスとして異常に精度の低いこの商品はいったい何を考えているんだ・・・・。
乱暴に扱える半面、電源入りっぱなしになったりするのでダメ商品だわw

来月出す物件が宴もたけなわ。『流しの構造図CAD姐』という、極めて貴重な人材がいるのが救いです。あとは、意匠事務所に計算書応援依頼も出したし何とかなるでしょう。大体、一人で2000~3000平米クラスの現場を3つ面倒見ながら5000平米をふた月で設計して、ほかにもルート3物件を面倒見るのは、会社員時代よりも激しく働いてますわ。とにかく、適判物件とか委員会物件のめんどくさいやつと、力技の必要な短期決戦をやるのが私だけというのがきつい。転職してのんびり個人住宅の設計でもやって適当に生きていこうと思っていたのですが、逃げても逃げても仕事が追いかけてくる。外注とかやってる時間ないわ。
私は躯体図をちゃんとチェックして、現場の調整+アトリエスタッフの教育(せめて日本語の読み書きができるように)までやっているから、もっと監理料を取るべきだよなぁ。
流しのCAD姐さんの情報によると、RCルート1でもスリットを切る設計が主流だそうです。世も末だなぁ。『スリットを切らないと剛性が云々』とか寝言をぬかす構造設計者は嫌いです。