福和先生は偉大です。

2012年度 JSCA東京実務者研修「技術講座」-5回
弊社の社長が、昨日の講習会に行ってきたというので。私は福和先生は本当に偉大だと思っています。別に研究室を出たわけではないのですが、言っている内容もかなり理に適っている上に行動しているからです。
講習会では、先般の東北太平洋沖地震の時に、超高層建物内部で構造技術者を相手に講演をしていたまさにその時に地震があった時のビデオを流したそうです。その時は、誰も机の下にもぐらなかったので福和先生はたいそうご立腹でした。どっかのエッセイでも同じようなことを書かれています。
で、そのビデオの中で会場の後ろの方をウロウロしているのは私です。だって、福和先生の話を聞きながら超高層の地震動を体験し、かつ街を見下ろしながら応答変位を確認できるチャンスですよ!?そりゃ、机の下にはもぐらんわ。どっかで福和先生の講演会に当たることがあって、動画を見る機会があったらチェックよろ。
「インフラ機能維持が大前提」福和伸夫・名古屋大減災連携研究センター長


この建研の永江さんも面白い研究をなさってます。話を聞いたことがありますが、『世間ではどんな設計をしているのか?』というのを理解したうえで研究されています。世間の相場を知らない馬鹿な研究者が多いので貴重な人ですわ。

未来を担う子供たちに、迷惑をかけない社会にしよう!僕たち大人にできるのは、地震対策をしっかりすることです

また、日本の既存の建物は、総額20兆円程度で耐震化できると思われます。500兆円ある国内総生産のうちの、たった4%なんです。もちろん、20兆円ものお金を子供たちに借金させるわけではありません。税金を使うのではなく自分でやるべきなんです。20兆円での耐震化を10年で実現するのであれば、一人当たり一年当たり1万6,000円。365日で割ると、一人当たり50円弱。やろうと思えばやれるはずです。次の世代にこの豊かな社会を引き継ぐために、われわれ現役世代は社会を安全にするために全力を尽くさないといけないと思います。

ここが私と意見が異なるところですね。20兆ごときは金刷って財政出動したら終わりです。増税とかも必要ありません。まぁ、経済学が専門ではないのでこういう話になるんですけどねぇ。
福和先生のスタンスとして面白いのが、本当の専門分野は数値解析や地盤の応答なのですが、意思決定や合意形成の分野に手を出していることです。構造技術者は、どこまで行っても技術屋なのですが、少なくともまともな建物を建てるためには素人相手に何とかして合意を取る必要があります。それは本来構造屋の仕事ではないのですが、今のところやる人がいないからやっているんだろうなぁ。
私としては、意思決定論はともかくとして『耐震性』というあやふやな言葉に毎度引っかかります。この辺は社会学の人とかに頑張ってほしいです。
是非とも京大の藤井先生とか河田先生と協力して、国民の合意形成を経たうえで国土強靭化政策頑張ってください。

http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp429.html
なんかTVに出るみたいです。