読了めも

清張さんと司馬さん (文春文庫)

清張さんと司馬さん (文春文庫)

私は司馬遼太郎があんまり好みではないので、今までほとんど読んでいません。司馬遼太郎の世界観は、『戦争に勝つのは将が賢者で、負けるのは兵隊が弱いから』というものかと思います。松本清張はその反対の世界観なので、サラリーマンは清張を読むんですよ。松本清張は小説しか読んだことがないので、ノンフィクション風のにも手を出そうかな~。


コミックス 続・殺戮のジャンゴ 「虚淵玄脚本による幻の名作が18禁コミカライズ!」 - アキバBlog
リンク先18禁。
ニトロフプラスの続・殺戮のジャンゴのコミカライズ。
もともとプレイ時間の短めのゲームらしいですが、1巻完結なのでさらに早足。
Fate/Zeroの裏で作っていたシナリオだそうで、もう一つの英雄譚としては面白かったです。
震災ゴジラ! 戦後は破局へと回帰する

震災ゴジラ! 戦後は破局へと回帰する

震災から3年がたちましたが、阪神大震災後のように『とにかくさっさと掃除してインフラ・建物を作りまくる』という勢いがさっぱり感じられません。
本書で触れられている震災を禊とするきわめて後ろ向きな発想は、地震直後から現在に至るまで文化人の皆様方のがっかりするくだらない発言を聞いているとよく分かります。どこか他人事で、かつ破局を煽るくだらない言動です。
筆者のニヒルぜ絶望感にあふれる書きっぷりは分からんでもないので、ここはひとつ震災禊主義とやらに対するカウンターとして『復活の地』を読むべきでしょう。
復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

読んでて元気が出そうになる本なのですが、なぜか全く取り上げられないのが不思議でなりません。やっぱりくだらない破局とやらを望んでいるのでしょうか。
一家に一冊常備すべき傑作集。
パセリを摘みに行くやつが良いですね。
これはなかなかどうして、今まで読んだ森博嗣小説の中でもヒット。1980年代の研究者人生と担当教官の日常を描くもので、ストーリーはそれだけしかありません。大学を離れて私も時間がたちますが、なんだかんだと大学の先生やら研究室の付き合いがあるので、この空気感はよく分かる。
喜嶋先生が熱心に「はじめてのC」を主人公に進めるところは渾身のギャグでした。この手の小ネタもちりばめられており、オススメ。
ノーベル賞経済学者の大罪 (ちくま学芸文庫)

ノーベル賞経済学者の大罪 (ちくま学芸文庫)

いつぞやかしらんに取り上げた、『若年投票率と国債発行額の相関性』。あの時は東北大学は馬鹿ですねと述べましたが、どーやら世界的にこの手の馬鹿な分析を行っているようです。疑似相関とか、統計学の最初に習う話で、専門ではない教養レベルで勉強した私ですら知っているのに、なんでそれが分からん?経済学部の人から「帰無仮説ってなぁに?」とか言われそうで恐怖しました。
金融やら経済学のお話で、モラル云々とか強欲資本主義云々とか評論されることが多い今日。私が思うのは、あなたたちは頭が悪い。この一言に尽きます。まだモラルが欠如したサイコパスの方がましだと思う今日この頃。
真相の近代建築: 数奇な運命の建築家たち

真相の近代建築: 数奇な運命の建築家たち

20世紀初期のころからの建築家に関するエッセイ。新聞に連載の内容なので、突っ込んだ内容ではないのですが、かなり広い範囲で押さえられているのでざっと読むだけでも。
文中に『モダニズム建築家が戦時下の統制を嫌って亡命しなかったのは、まだ思想が成熟してなかったら』云々というくだりがありますが、皆さん陸軍の下でお仕事していただけでは・・・・?そんな難しい話でもないと思いますが、こういうことを言うとリベラル思想100%の建築家ムラでは袋叩きにされるんだろうなぁw