一貫計算プログラム講習会

JSCA主催講習会情報:日本建築構造技術者協会
講習会「一貫構造計算プログラムの特性比較」
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あまり乗り気ではなかったのですが、ちょっと別件の用事アリで。
内容は、SS3,Build,SEIN,一貫の4つのソフトを比較してみましたというお話でした。
建築技術者スキルアップ
資料は上記のPDFです。
内容はともかく、気になって仕方がないのが有効数字の取り方。
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元のPDFが極めて判読困難ですが、最下段の表は各ソフトのQu/Qunを示しています。
モデルは普通のRCラーメン架構です。
出てる数値の比較をされているのですが、3FX方向で行きますと、

BUS:1.39
一貫:1.49
SS3:1.3
SEIN:1.395

と書かれています。数値の妥当性はともかく、有効数字が2桁~4桁でばらついています。数値自体の比較以前に、有効数字が2桁違うものを隣に並べてはいけないでしょう。
これ、ただ単にSEINの出力だとQu/Qunが4桁で表示されるだけなのと、SS3は1.30を表しているという極めて単純な話だと思います。
だけどさ。JSCAで設計者を前に発表するのにこの出し方は無いだろう。構造設計以前の問題です。
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上記はS造のテストモデルの結果。今度は有効数字が揃っているぞと思いつつも、上の表。Dsを比較してMax/Minの割合を出していますが、基本的にDsは階段状に変化することから割合の比較にはまるで意味がありません。仮にDsが連続的に変化する係数であれば意味のある比較方法なんだけど・・・・・。この表を作った人はDsが階段状に変化するということを理解しているのでしょうか?
これも、ただ単に4つを比較しただけなんですと言われると思いますが、ホンマに分かってやっているのでしょうか?
で、テストモデルがどんな断面かしらんけどさ。世間の設計ではQu/Qun=3.68とかいうふざけた設計が許されるのでしょうか?
講習会では、設計思想をしっかり持って云々というくだらないお話を延々とされていましたけど、私に言わせると構造とか解析以前の問題なんだよね。誰かが言っていましたが、Qu/Qunはなんとなく3桁で書くけど、締まらないから書いているだけで3桁目を書くときはもう少し申し訳なさそうに書くようにっていう話をしても無駄なんだろうなぁ。
事前にPDで議論して欲しい議題を募集されていたので、『ベースシアの有効数字が1桁しかないのに、無駄に精緻な計算らしきことをしてぶっちゃけ意味あるんですか?』的な危険球をオブラートに包んで投げましたが、案の定スルーでしたwww
弊社で使っているSEINちゃん。いろいろと気に入らないところがあるけど、一番ダメなのが計算書の地震荷重算定時にC0=0.2000とかふざけた数値が入っていることです。私はそんな数値で設計していないし、その妥当性も確認できていないのでやめろと営業にさんざん言っているのに、一向に修正されません。
とはいうものの、私の化石のような考え方では文系型の考えを変えることはできなさそうだなぁ。
唯一の救いは、あまりにも講習会があほらしすぎて10%位の人間がさっさと帰ったことです。普通は帰るよね。

20~30代の若手が解析ソフトに振り回されて設計できてない話は腐るほど聞くんだけど、今日の資料を見る限りその上の世代も相当怪しいわ。