それは問題なのか?

建物の「くい」 3年前の地震で損壊相次ぐ NHKニュース

その結果、これまでに宮城、福島、茨城、埼玉、栃木、千葉の6県にある集合住宅や学校の建物合わせて40棟で「くい」が破壊される被害が出ていたことが分かりました。
これらの建物は、鉄筋コンクリート造りや鉄骨鉄筋コンクリート造りで3階建てから14階建てまであり、傾いたり壁に亀裂が入ったりしていたことから、詳しく調査して被害が見つかりました。
(中略)
向井智久主任研究員は「今回の地震震源からの距離が遠く、揺れによる被害が比較的少なかったにも関わらず、くいの被害は多いと感じる。今後は建物に転倒の危険性があるかどうかなど、より慎重な検討を進める必要がある」

あれだけの広域で強震を観測して、40棟だと誤差の範囲くらいの被害では?これで被害が多いと感じる根拠を教えてほしいものです。東日本大震災において、全半壊で住宅込で400万棟程度が被害を受けています。危険度判定でいくと赤と黄色込で3万程度。そのうち40棟って・・・・。
http://www.mlit.go.jp/common/000995441.pdf
元資料を見ると、ただ単に設計していなかったPC杭が破損しただけです。普通に設計通りに壊れたけど、転倒はしていません。
杭の調査をするのに、掘削してジャッキで仮受していますが耐圧版構築してませんね。そのまま敷き鉄板引いて受けています。これ、構造屋ならみんな思っているだろうけど、ぶっちゃけ杭はどんだけの支持力を発揮してるの?でかいフーチングとかだと直接基礎みたいになってて、杭は遊んでるんじゃないの?敷き鉄板で受けられる程度なので、直接でも計算上はNGだけどそんなに支障ないんじゃない?
と、昔とある物件でPHC杭を切断するためにジャッキで仮受する工事をしたことがありますが、杭に歪ゲージを貼ってジャッキアップしたら、ちゃんと歪が解放されていました。データ取っただけでちゃんと解析しなかったけど、あのデータとかめちゃくちゃ貴重だよなぁ。

阪神大震災において全半壊25万棟であったにも関わらず、『新耐震に大きな問題はない』というのがコンセンサスです。超高層でも鉄骨がせん断でちぎれるとかあったけど、それでも設計手法自体は妥当だと結論付けられました。
それにもかかわらず、この報道です。明らかに間違えているし、今までの建築構造の知見に対する挑戦ととらえても良いでしょう。
建物の転倒は、圧縮側の杭が終局を越えても土で支えるから、よほどの超高層以外は大丈夫。というか、転倒させるだけのポテンシャルエネルギと同様の入力をするのは極めてありえないでかさの水平力を入れないと無理では?
で、つまらん使えない指針がまた出るのね。
RC規準2010も使いモノにならないし、学者センセーのオナニー指針は勘弁してほしいです。
使えない指針トップ3
・S規準2005
・基礎構造設計指針
・荷重指針
というか、建築学会の指針で使っているのが、
・各種合成構造
・配筋指針
・RC規準1999
・靭性保証型設計指針
だけだ。金返せ。
私は別に指針を変えるなとは言っていないのです。変更する場合は、その手続きを踏んで、変更理由も実社会に即した形で言っていただければいいのです。
杭の話にしてもRC規準2010にしても、性能設計化への悲願という妄想に基づいているから気に入らないのです。
そーいえば、みかん本も出る出る詐欺のまま5年くらいたった希ガス

建築物の構造関係技術基準解説書〈2007年版〉

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