読了めも

ピルグリム〔2〕ダーク・ウィンター (ハヤカワ文庫 NV ヘ 18-2)

ピルグリム〔2〕ダーク・ウィンター (ハヤカワ文庫 NV ヘ 18-2)

もしかしてこの話は1冊で書けたんじゃないか疑惑。
最終章に評価は持越し。
いとへん (Feelコミックス)

いとへん (Feelコミックス)

宇仁田ゆみ氏の漫画は手が動いている感じがいいなぁ~。多分、指の書き方が独特なだけなんだろうけども。
シャーリーが帰ってきたぞあぉぉぉ!!!うひょー!
動いているだけで可愛い。それが良い。
私はロリコンではありません。行かず後家のクランベリーさんも良いよ。
この人、毎回あとがき面白いよね。
オカルト「超」入門 (星海社新書)

オカルト「超」入門 (星海社新書)

入門ということなので、良く知られた内容ばかり。世にはびこるオカルトを概観するにはちょうど良いと思います。twitterは魔窟なので良く陰謀論が展開されていますが、どれもこれも粗雑なんだよな~。デング熱反原発デモを弾圧する生体兵器とか、東日本大震災地震兵器とか。エリア51やらUFOやらの強度の強さと、粗雑なオカルトの差は何なんでしょうね。当時そんなにソ連が怖かったか。
意識高い系の建築家どもが、次々と陰謀系トンデモリツイートしているのを見ると、オカルトの教養って大事だなと思います。オウム真理教以降、その手のテレビ番組はご法度のようですが、思春期にちゃんとオカルトしておかないとだめだと思います。SFや建築評論、クラシック音楽と同じく、オカルトも一種の筋モノになるので教養化するのは簡単ですし。私は神々の指紋大ヒット世代なんですよ。なんであれがあんなに当ったんだろ。
本書の中でモーグル計画に触れられていますが、あれは上空を漂う放射性物質の検知ではなくて、大気中の温度差と密度差による音響チャンネルによって、核実験の衝撃波を検知しようとした装置じゃなかったっけ。
橋はなぜ落ちたのか―設計の失敗学 (朝日選書 (686))

橋はなぜ落ちたのか―設計の失敗学 (朝日選書 (686))

建築やっている人間なら、その専門分野に限らずタコマ橋の落橋は知っていると思い込んでいましたが、そんなことはなかった。大学の授業でも、技術史はほとんどやらないのはまずいよね。というか、日本の建築構造の専門課程を受けていて、かつ技術史の専門っているのかな。

橋なんか落ちまくっていますね。材料工学、構造工学ともに未熟なのに皆さん度胸がありました。ヨーロッパの教会のシェルなんかも壊れまくっていて、理屈を確立するのに1000年くらいかかっています。
プロジェクトぴあの

プロジェクトぴあの

地球移動作戦の前日譚。
よっしゃ!ちょっくら太陽系の外に行ってくる!!
というわけで、アイドルが宇宙に行く話です。元気が出るSFですね。
こうして考えると、人体というものは非常に脆弱なので重力の井戸の底に押し込められています。機嫌よく宇宙に出ていくには、やっぱり電脳化して全身義体にするか何かしら改造しないとだめだよね。
建築構造随想 (1978年)

建築構造随想 (1978年)

古本屋でゲット。ってか、Amazonの取引価格高い。
京大の横尾先生の退官記念の本ということで、知りませんでしたが名古屋大の先生もやってたのね。上谷先生の親分に当たるのかな?知っている名前で、名古屋大の松岡先生やら鹿島の竹中さんやら竹中の久徳さんやら。
色々な雑誌に寄稿した文章のまとめなのですが、非常に面白い。スケールごとによる力感論などは、川口衛先生が常々言っていることで、天才は同じように考えるんだなと感心。
柔剛論争についても触れられています。

戦後、超高層への社会的要求に応えて発達した動的解析の結果を踏まえて、柔構造論は再び脚光を浴びることとなった。私は振動学がはなはだ苦手であり、門外漢であるが、剛構造論・柔構造論ともに建築構造の耐震性状の側面をかたるもので、本来対立するものではなく、少なくとも低層建築においては剛構造論が、超高層建築においては柔構造論が支持されるものとみているが、これで良いのか。近年、著しい発達を遂げつつある耐震工学の知見に立って、剛構造の新たな位置づけの論説がなされることを期待したい。
耐震設計の根底にはphilosophyが必要であり、耐震設計を課せられる技術者たちにとって、この種の論説はきわめて有意義だと思うからである。

だそうです。最近ポツポツ当時の論争を追いかけているのですが、どうも剛派の方は地動加速度と建物の応答加速度を混同しているようなのです。確かに建物が無限に剛の場合は、地面と同じ動きをします。なぜ剛構造を推奨するかと言えば、地動と同じ動きをすれば増幅がないので安全でしょ?という理屈なのかな。柔派は、地震力を外力としてとらえようとしているように見えます。あくまで私の推測で、実証的に文献を読み込んだわけじゃないけど。
あとは、建物に作用する重力は非常に大きく、それに見合ったプロポーションにすることを推奨されています。風や地震の繰り返し作用なんて小さいものです。
略歴を見ると、佐世保海軍建築部にいらっしゃったようです。陸軍も海軍も戦前のコンペ審査委員に人間を送り込んでいるので、なにがしかの専門家がいたことは分かっているのですが、ちょっと検索した程度では実績がさっぱりわからん。当時のトップガンを集めていたはずなので、かなりの研究成果はあったはずなんだけどさ。