メフィスト賞の系譜


メフィスト賞とは (メフィストショウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
講談社の新人賞でメフィスト賞というのがありまして。私が中学生の頃にできた賞で、新本格華やかかりし頃話題だった賞です。基本的に読者を非常に選ぶイロモノが並んでいるというイメージで語られますがその通り。
最近書店で乾くるみ浦賀和宏の文庫が平積みになっているので、リアルタイムでこれらの超イロモノを読んでいた身からすれば目を疑います。どう見てもたくさん売れる作家ではないどころか、これらの作家が好きですとか言われるとドン引きするレベルです。
今にして思えば、少ない小遣いの中でこれらイロモノ本に目を付けた若かりし頃の私が馬鹿だったのか先見の明があったのか。なんだかんだで森博嗣なんかデビュー当時からすべて買ってますし。中学生には何かと衝撃的な内容だったのですよ。
これらイロモノ軍団の中での最狂格が『コズミック』の清涼院流水です。本人も座談会で言ってましたが、今まで『コズミック』ほど叩かれた小説はないでしょう。まだwebがそんなに普及してなかったけど、叩かれ方が尋常ではなかった。私も当然投げ捨てる側だったけど、今思うとキャラ萌え小説としてあまりにも早すぎた。当時はライトノベルが今ほどなかった中で、果敢に講談社という老舗でキャラ萌え小説を出したというのは10年早すぎた。2000年代半ばに出していれば、アニメ化間違いなしでスピンオフが大量に出来たし、同人誌も売れたでしょう。ものすごく惜しいコンテンツです。
その後も低調な時代もありましたが、なんだかんだで『引っ掛かりのある作家』を発掘して世に送り出す眼力はありますよね。生存率も比較的高いみたいだし、直木賞作家も出しています。

とかなんとか思ったのは、住宅特集2010年1月号の堀部安嗣建築設計事務所設計の物件を見て気が付いたのです。よーく本棚を見ると乾くるみ『匣の中』と浦賀和宏『記憶の果て』が腰帯付で並んでいます。題名まで良く見えないけど、字の並びからして間違いないと思うのです。
http://www.japan-architect.co.jp/jp/works/index.php?book_cd=201001&pos=4&from=backnumber



というわけで1話を見てしまいましたw
予想通りの出来です。テレビ局の方々が何を考えているのかがよーく分かりました。ディテールへのこだわりが全然ないよね。当然制作側は視聴者にはわからないだろうと思っているのでしょうが、そういう舐め腐った姿勢がダメなんだろうねぇ。大卒の方々が製作してるんだろうけど、お前ら本当に大学行ったことあるのかと小一時間問い詰めたくなりますw
逆に妙にディテールにこだわりがあるのが脳噛探偵ネウロ。段ボールおじさんが滔々と構造に付いて語るシーンの吹き出しの小さい文字が全て、建築の構造力学や材料力学に出てくる数式やイラストになっています。本人が建築やってたような気がしますが、ディテールがそこそこもっともらしいのは良いことかと思っています。

おお。森博嗣もついにユリイカに認められるまでになりましたか。