インターステラー見てきました(ネタバレだらけ)


映画『インターステラー』オフィシャルサイト
封切り日に行きました!超空いていました!!最後まで寝ませんでした!!!
予告では、ほしのこえとヤマトとトップをねらえ!の合わせ技だと思ったけど、まぁそんな感じ。最後はトップ2の時空監察官の部屋が出てきたりで、SFとして満足と言えば満足ですが、プロットが滅茶苦茶な上にカタルシスにも欠けるのがいかんともしがたい。最後は「オカエリナサイ」じゃないんだ。

「インターステラー」のSFっぷりは一体どれぐらいで何がスゴイのか、SF小説とかSF映画とか大好き野郎が見るとこうなる - GIGAZINE
とゆーレビューもありでしょうが、ウラシマ効果は散々扱われるネタですし、科学的に正しいかどうかも『そこそこ』レベルで別に構わないと思っている身からすればしらけるばかり。フィクションにおいて重要なのは『科学的に正しいブラックホール』を描写することではなく、『それっぽいブラックホール』を描写すればよいのです。むしろこれを見てSF的に正しいかどうかにこだわる狭量なSFファンこそがジャンルを小さくしているんではないですかね。監督のインタビューでも、もっともらしささえあればよいと述べているので、むしろ科学的何かについて詳細に述べるのは映画を見れていないということだろうなぁ。
で、宇宙とか惑星の科学的正しさは分かった。その割に地球に迫る危機がたかが砂嵐である。そんなもんは土壌の改良で何とかなるレベルで、惑星移住なんて大それたことよりも科学的・人道的・経済的コストが圧倒的に小さいです。酸欠が迫るとか真顔で言うところはギャグですか?電気分解で作れや。
もう何でもいいから、地球のコアが止まるとかの方がプロットとの整合性があります。また、科学技術の軽視により主人公の息子が農夫を進められるシーンがありますが、あんたらの大規模農場なんて科学技術の産物じゃん。どうやって維持してるのさ?しかも大平原の一件屋で蛇口ひねれば飲料水が出るし、普通にパソコン使ってるし。誰がどう見てもエンジニアが社会に多く認められる世界だと思うのですが、馬鹿にしてるのか何なのか。
と、ディテールはともかくプロットに超もやもやしました。わざわざ見に行かなくても、ほしのこえトップをねらえ!トップをねらえ!2を見れば、これ以上のカタルシスが得られます。
なんかアメリカでは好評のようですので、彼らに上記3作品を見せてやれよ。

モノリスは結構かわいいやつだったんだけど、『楽園追放』のフロンティアセッターほどの愛嬌がないなぁ。オタクガジェットとしてもっと活躍して欲しかった。
主人公の娘のマッケンジー・フォイはペロペロ(^ω^)できる感じ。鉛筆を髪にはさんでいるのがいかします。

と、そこそこ良かった程度でした。3時間飽きさせない画面だけど、なんで3時間もかかるかがよく分からん作品でした。SF慣れしている人の方がいろいろとモヤモヤする作品なので、日ごろそういうのを見ない人の方が薦められます。

超映画批評「インターステラー」55点(100点満点中)

この映画における「人類」がとる行動について私たちが感じるのは、アメリカにしろイギリスにしろ大国的発想とは相いれないな、ということだ。足るを知る者は富む、といったのは老子だが、彼らは今こそ、この言葉を思い知るべきである。

ノーラン監督はきっと無敵感に満ちたポジティブな人物なのだろうと、これを見ると強く思う。永遠の成長を信じて疑わぬその前向きな発想には敬意を払うが、そうした欧米的価値観はもはや時代遅れだ。人類文明の発展速度は飛行機の発明以来、誰が見ても停滞している。永遠の成長などはない。足りなくなったら、食う量を減らせと思うのが我々日本人の発想である。そもそもまともな人は、そこまで贅沢などしたくはない。

と、贅沢な老人がおっしゃっています。
ノーラン監督の問題提起はよく分かりますが、富める良心的な方々には通じないでしょうね。なんであんたらのようなアホ老人と私が心中せなあかんねんと思いますわ。