読了めも

井上章一 現代の建築家

井上章一 現代の建築家

著者が2,3日で慌ててまとめたエッセイ集もどき。私のような建築家村から離れて久しい人間だと面白く読めます。が、井上章一氏の本を読んだことがある人からしたら、知っていることが多いだけに、特に新たな知見は無かったです。
いわゆる主流派の人が読んだらどんな感想になるかが気になります。
この作家の登場人物は、割とすぐに家族になりたがりますね。
EGメーカー 2 (ジェッツコミックス)

EGメーカー 2 (ジェッツコミックス)

上記と同じヤングアニマル連載。三月のライオンの清々しい読み味を一気に落としてくれる、大変に品性お下劣な作品。素晴らしい。
エロゲに理解のある人にはぜひ読んでほしい傑作です。
バタフライハンター 10のとても奇妙で素敵な仕事の物語

バタフライハンター 10のとても奇妙で素敵な仕事の物語

まぁ、適職なんて誰にも分らんよね。本書で織り上げられる人は、確かに適職について充実しているんだろうけど、その仕事をやっていないと死んでしまう業に侵されているように見えます。
どっちがいいかは一概には言えんね。
ナチ娯楽映画の世界

ナチ娯楽映画の世界

藤原『ナチスのキッチン』:せっかくの調査が強引なイデオロギーはめこみで台無し。 - 山形浩生 の「経済のトリセツ」
このレビューにもあるように、ナチス大明神が絡んだ時点で良い調査でも作者の「ナチス(・A ・)イクナイ!」という結論に向けて、変なロジックになってしまいます。
本書では、その辺のところにうまく切り込んでいる良書。
近代日本の異色建築家 (朝日選書 (261))

近代日本の異色建築家 (朝日選書 (261))

というタイトルながら、メジャーな方々です。
中村順平が取り上げられていますが、彼の弔辞文は圓堂政嘉が書いています。しかも、建築の師匠とまで言っているのです。中村順平は戦前にフランスのボザールで優秀な成績を修めたとおり、純然たる芸術建築家です。片や圓堂政嘉はバリバリのアメリカンな様式を引っ提げて建築家業界にデビューしてます。全然接点がないやんと思いますが、何かあったんでしょうねぇ。
ニッポン景観論 (集英社新書)

ニッポン景観論 (集英社新書)

いちいち突っ込むのも疲れるので詳しくは書きませんが、本書中で彼が述べるコンクリートの使用量とかは基本的にデタラメです。バカバカしくて読む気もうせる。
アレックス・カー 「なぜ日本はこんなに 落ち込んでしまったのですか?」by 大野和基

「最終的に日本を目覚めさせることができるのは、破産しかない」
アレックス・カーは断言した。

そして私が資産を底値で買い取ります、ですね。分かります。
こんな心が死んだ人間の戯言は無視すればいいと思いますです。

建築構造の「なぜ」がわかる一問一答 (エクスナレッジムック)

建築構造の「なぜ」がわかる一問一答 (エクスナレッジムック)

ふーん、そうですかという程度の内容。意匠屋には何書いてあるかわからんし、構造屋にとっては普通のことしか書いていない、ターゲット不明の本。
ところで、RCの柱サイズを発生応力で決めんなボケナスが!と言いたい。
教科書には載っていない!戦前の日本

教科書には載っていない!戦前の日本

サヨな方が言うように、戦前は暗黒時代ではなかったんですよ本です。知っている人はどうでもいいか。ただし、ウルトラ格差社会だったのは確かで、だからこそ寄付文化が上流階級にはあったのです。日本には寄付文化がないとか寝言言っている文化人がいますが、んなことはない。
背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?

背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?

研究者っていっぱいいるんだから、当然よからぬことを考える人もいるのです。STAP細胞にしても、科学者側から「なんか変だ」という話が上がっていたので、あれは普通の科学の手続きだと思うのです。昔からいろんな人が捏造してきたけど、最終的には科学分野の学会で揉むことと、時間をかけて議論することで、そこそこもっともらしい理屈を作ってきたことは無視できません。
最近は、大学の博士課程で倫理教育とかしているらしいですが、無駄だよなぁ。『ギリギリ科学少女ふぉるしぃ』をカラオケで歌って歌詞理解できれば優で良いと思うんだけど。疑似科学の真髄が込められた名曲です。

ギリギリ科学少女ふぉるしぃとは (ギリギリカガクショウジョフォルシィとは) [単語記事] - ニコニコ大百科