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正n角形の断面2次モーメントについて

正n角形の断面2次モーメントが、図心を通る任意の偏角γに対して一定であることを示す。
また、正n角形の断面2次モーメントの一般式の極限値が円の断面2次モーメントに等しいことを示す。

準備計算として、底辺b、高さhの断面2次モーメントをIx、Iyとして定義する。
f:id:ninetailsfox63:20150323160445j:plain
{ \displaystyle
I_x = \frac{b^3h}{48} \\
I_y = \frac{bh^3}{4} \\
I_{xy} = 0 \\
ただし \\
b = 2a \sin \theta \\
h = a \cos \theta \\
\theta = \pi / n
とする。
}
X軸廻り及びY軸廻りの断面2次モーメントについて、二等辺三角形の頂点を時計回りに偏角αk回転させた場合のX,Y軸まわりの断面2次モーメントは下記の通りとなる。
{ \displaystyle
I_{Xk} = \frac{I_x + I_y}{2} + \frac{I_x - I_y}{2} \cos2\alpha_k - I_{xy}\sin2\alpha_k \\
\\
I_{Yk} = \frac{I_x + I_y}{2} - \frac{I_x - I_y}{2} \cos2\alpha_k + I_{xy}\sin2\alpha_k \\
}
ここで、偏角αkを下記のように二等辺三角形の頂角に沿うように定義する。
{ \displaystyle
\alpha_k = k \times 2\theta = 2k\theta
}
時計まわりを正として、回転方向に断面2次モーメントを足し合わせることで正n角形(ただしnは3以上の自然数)の断面2次モーメントが算定される。
f:id:ninetailsfox63:20150323160444j:plain
{ \displaystyle
I_{Xn} = \sum_{k=0}^{n-1} \{ \frac{I_x + I_y}{2} + \frac{I_x - I_y}{2} \cos2k\theta - I_{xy}\sin2k\theta \} \\
\\ \\
I_{Yn} = \sum_{k=0}^{n-1} \{ \frac{I_x + I_y}{2} - \frac{I_x - I_y}{2} \cos2k\theta + I_{xy}\sin2k\theta \} \\
I_{XYn} = 0 \\
}
図心まわりに設定していることから断面相乗モーメントは0になる。
ここで、下記を用いて整理する。
{ \displaystyle
I_{xy} = 0 \\
\sum_{k=1}^{n} \cos2k\theta = \frac{\sin n\theta \cos(n+1)\theta}{\sin\theta}  = 0 \\
\theta = \pi/n を代入すると分子が\sin\pi となることから恒等的に0\\
}
すると、
{ \displaystyle
I_{Xn} = n \frac{I_x + I_y}{2} \\
\\
I_{Yn} = n \frac{I_x + I_y}{2} \\
よって、
I_{Xn} = I_{Yn} \\
}
となる。
正n角形の主軸は、断面相乗モーメントが0となる軸である。任意の偏角γとしたときの断面相乗モーメントは下記の通りとなる。
{ \displaystyle
I_{uv} = \frac{I_{Xn} - I_{Yn}}{2} \sin2\gamma + I_{XY}\cos2\gamma \\
I_{Xn} = I_{Yn} , I_{XY} = 0 \\
}
より、恒等的にIuvは0になることから、任意の偏角γに対して常に主軸となる。
よって、正n角形の図心を通る軸に関する任意の方向について断面2次モーメントは常に一定である。
次に、任意の正n角形の断面2次モーメントの極限値が円の断面2次モーメントに収束することを示す。
{ \displaystyle
I = \lim_{n \to \infty}  I_{Xn}= \lim_{n \to \infty} n \frac{I_x + I_y}{2} \\
=  \lim_{n \to \infty} \frac{a^4}{2} n \{\frac{1}{2} \sin\theta \cos^3\theta + \frac{1}{6} \sin^3\theta \cos\theta \} \\
=  \lim_{n \to \infty}  \frac{a^4}{2} n \sin{\frac{\pi}{n}} \cos{\frac{\pi}{n}} \{ \frac{1}{2}\cos^2{\frac{\pi}{n}} + \frac{1}{6} \sin^2{\frac{\pi}{n}} \} \\
\\
}
ここで、m=1/nとする。
{ \displaystyle
I = \lim_{m \to 0} \frac{a^4}{2}\pi \frac{\sin{m\pi}}{m\pi} \cos{m\pi} \{ \frac{1}{2}\cos^2{m\pi} + \frac{1}{6} \sin^2{m\pi} \} \\
= \frac{\pi a^4}{4}
}
以上の検討より、正n角形の断面2次モーメントの極限値は円と同じとなる。

あー、なんか力技ですが終了。
材料力学の本には載ってない計算方法なので、誰か応用力学系の大学院入試問題に使って私に問題作成料くださいです。
何気に積分使わない方法で円の断面2次モーメントを出した人は少ないんじゃないかな。

追記
LaTex記法なんですが、なんか崩れてますね。どうやって直すんじゃろ。
あと、最後の極限値は高校数学Ⅲで言うところのはさみうちの定理を使ってます。人生で初めて有用性を確認しました。
建築構造学事始 | 正多角形断面の図心を通る軸についての断面二次モーメントが軸の方向によらず一定であることの証明
だそうです。私はゴリ押し系計算大好き人間なのでエレガントさのかけらもないということでw