ザ・正統派の構造



東京タワーの構造設計の内藤多仲博士の業績本。S46年刊行。
正直なところ、最近の建物で『自分では設計できないな〜』と思うものは非常に少ないのですが、東京タワーだけは絶対に真似できないです。今のスカイツリーは力業で何とか行けると思いますが、この東京タワーだけは本当に驚嘆します。自分で構造設計やる前はこんな風には思わなかったのですけど、やるようになってからは強く思います。高強度鉄骨使いたい放題でもとても追いつく自信ありません。
よく言われるのが、エッフェル塔と高さが同じで使用鉄骨量が半分ということです。設計という行為をやったことがあるならば、この歩掛の低さはヤバイ。技術の蓄積の勝利ですな。
と、私は東京タワーを大絶賛しています。何せ、適切なスタンスや曲線美、普遍性を体現していることから、一向に古くならないのです。スカイツリーとか、台湾で計画中のカイワレ大根ごときと同じ土俵で扱うというのは失礼だと思っています。
これと代々木の体育館は、そのうち文化財にしてもいいと思うなぁ。

で、肝心の東京タワーの記事が英語と独語なのにワロタ。式は分かるんだけどねぇ。
ほかにも懐かしの日活国際会館の施工風景など掲載されています。今の若い人は、潜函工法なんて知らないだろうなぁ。私も、これ以外で適用した例を知らんわ。

内藤多仲博士の業績 (1967年)

内藤多仲博士の業績 (1967年)


古書で27kもしますか。そうですか。
古本屋で5kでゲットしてすいません。