超高層の系譜 その2

中国で世界最高層ビル計画 湖南省に838メートル 工期わずか7カ月で…大丈夫?
ドバイ抜き世界一、湖南省で高さ838メートルのビル建設へ

中国紙、東方早報によると、構造体をモジュール化して組み上げる工法で近く本格着工し、7カ月という猛スピードで年末までに完成させる予定という。

桁が1つ違いますね。まだ着工してなくて、来年元日竣工とか頭おかしい。またまたご冗談を、というトバシ記事かと思っていましたけど、発表されている数字が結構現実的なんだよねー。100万平米で総工費500億だとすると、17万/坪。中国の単価は知りませんけど、仮設を抜いた躯体工事費で限界まで合理化されているとするとありえる数字だよね。あっちは、スケルトンの施工が多いみたいだし。
超概算で、100万平米/220階 = 4500平米→67m×67mの矩形平面。パースによると、立面は段々になっているので、低層部で80m×80m程度の平面形状か。すると、軒高が838mなのでアスペクト比が838/80=10.5。ま、日本では無理なプロポーションですが、あっちでは何とかならんこともないカタチなんでしょう。
ついでに、柱の軸力は8mグリッドとして、最下階で柱は100本。総重量が0.8t/m2×100万m2=80万tなので、1柱あたり80万t/100本 = 8000t。高張力鋼の肉厚大断面+RCの世界なら力技で・・・・・。8000t支持できる杭は知らないなぁ。ちょっと現実的な軸力ではないので、もっと下層部の平面は大きくて柱は多いですね。
べた基礎だとすると、80万t/6400m2=125t/m2。こんなに取れたっけ。新宿の都庁も直接基礎ですが、あれは100t/m2で設計してるみたいです。ちょっとお下品・・・・。私の中ではmax75t/m2でふ。
使用鉄骨量は、120kg/m2程度として(あっちの相場はよく分かりません。日本だと少なめの数字かな)、100万m2×0.12t/m2=12万t。東京スカイツリーの鉄骨量が3.2万tといわれているので、それの4倍程度。鉄骨の生産量的には、現在の日本国内の生産が700万t程度なので、中国からしたら余裕でいけるレベルでしょう。
と、超概算により工期7ヶ月を除けば何とかなりそうです。でも、1タクト1日なら実現できてしまうな。日本の場合は、どんだけがんばっても3〜4日(PCaの超高層)ですけど、検査をすっ飛ばして1日24時間可動したらいけるオーダだな。日本は一日8時間勤務だし。
おそるべし、中国。



着々と増殖する古本たち。だって1冊1000円の投売りなんだもん。
現代建築家シリーズは、タイトル映ってませんけどSOMとかサーリネンです。1970年前半出版のもの。生まれてねぇ。



NYのWTC跡地の工事。設計はSOM。リベスキンドはもめた末に消えましたね。『フリーダムタワー』という名前もなくなっちゃったので、リベスキンドが関与したことは影も形もなくなりました。着工してから8年もかかってますが、このグダグダ感が現代アメリカを写しているような気がします。


近鉄の「あべのハルカス」、14日に高さ西日本一へ
完成したら、日本初の300m越え超高層です。関東の人間はほとんど知りません。