読了めも

ライジング・サン (ハヤカワ文庫NV)

ライジング・サン (ハヤカワ文庫NV)


遠い昔の話となってしまった日米貿易摩擦時の社会派ミステリ。ジャパンバッシングなんていう単語も懐かしい。今読むと、ジャパンバッシングなどは意図ではなくて、金融や弁護士業なんていう生産性のない職種に特化したアメリカ産業への警告だよね。日本はその出汁に使われただけで。
それなりにステレオタイプな日本人像であるものの、よくかけていると思います。参考資料にクルーグマンが入ってましたw
クライトンのあとがき。

・・・・・
社会全体が改革を経験したのだ。第2次世界大戦の直後にも、日本はほぼそれに匹敵するほどの、2度目の激変を体験した。
どちらの例においても、日本はその難事業を正面方見据え、全力で取り組んだ。アメリカ人に自分の土地や企業を買わせ、よりよいやり方を教わろうなどとはいわなかった。ひとこともだ。かわりに日本人は、何千人もの専門家を招きー最後には相手国に帰ってもらった。今のアメリカも、同じやり方を試みていいのではないか。日本人はアメリカの救済者ではない。競争者なのだ。われわれはそのことを忘れてはならない。

要は、アメリカのインテリどもよ!汗をかいて死に物狂いで産業を立て直せ!という檄文なのですが、アメリカ人には伝わらなかった模様です。ちなみに、今の日本にも『外国企業に飼ってもらおうデヘヘ』みたいな馬鹿どもが跳梁跋扈しているので、クライトンが生きていれば愕然としたでしょう。

ちなみに、ショーン・コネリー主演で映画化されています。「お前、本当に原作読んだのか?」「ニホン知ってますか?行ったことある?」と5分おきに突っ込みたくなる間違った日本人像丸出しの駄作です。だからアメリカ人はバカなんだろうなぁ。
映画のいいところは、女体盛が見られることです。AVかよw


世紀の空売り

世紀の空売り


それなりに90年代に金融への警告は出ていましたが、無視した結果がこのざまです。ウォールストリートの面々に対して、強欲だの腐敗だのモラルハザードだの言う本はたくさんありますが、ちょっと違った切り口での批判です。

ウォール街の大手投資銀行が、単なるスキャンダルでつぶれるような組織だったら、とっくの昔に地上から姿を消していただろう。ホイットニーは、ウォール街投資銀行家たちが腐敗していると告発したわけではない。彼らの頭が足りない、と指摘したのだ。

そうしたら、頭の中でお告げみたいな声がした。『なんとまあ。こいつの頭はからっぽだ!』ひらめきというやつだよ。世界で5本の指に入る投資銀行を、頭が空っぽの男が経営している!

リスクの処理に失敗したわけでもなく、腐敗していたわけでもなく、ただ単にそうそうたる博士号をお持ちのインテリさまたちの頭が空っぽだったという。どんなブラックジョークですかね。
格付け会社にしても、サブプライム問題のあとにインチキ格付けの裁判の判決が笑えます。『表現の自由なので沙汰なし!』お前は東スポかよ。。。。。
金融なんて詐欺みたいなものだとよく言われますが、それ以前に頭が悪すぎるということを生き生きと描いた本作。どないなっとんねんですわ。


ターンエーの癒し

ターンエーの癒し


この人本当にすごいわ。商業監督として未完成ですが、まだ先がありそうです。普通、老人の作るものといえばこれまでの経験を生かして云々なのですが、相変わらず新しいセンスを身に着けようとしているパワーがやばい。
女装SM好きで、ただの変態なのですが常識人です。

77:愛のVIP戦士:2011/08/18(木) 19:33:52.79 id:as7zKwUw0
キチガイのふりした常識人が御禿
常識人のふりしたキチガイがパヤオ
キチガイの中のキチガイが押井
ヘタレ界のヘタレが庵野
ちょっと優等生が細田
凡人の中の凡人がゴロー

いまだに宮崎駿が国民的監督なのが納得いかないわ。彼、完全にロリコンだし。魔女の宅急便のスカートの翻りなんて犯罪的な出来ですわ。
御禿はいろいろと迷言がありますが、割と好きですw

自分にマイナス要素がある、才能的に優れていないからこそ、そのマイナス面を埋めるための努力を死ぬまでしなくてはいけないのです。この努力は一見辛いように見えます。実際とても辛いです。努力をしないで好きなところにはまって、社会人になってからもずっとマイナスが累積していく人生よりは、マイナス面を埋める努力をして身に付く人間性の良さなどが、より人生の成功への道を切り開いてくれることでしょう。

実を言うと概ねの人には固有の才能はありません。

そろそろ古本でリーンの翼でも探そうかしら。