性能設計と仕様規定と現実の狭間で

建築構法の変革 (建築ライブラリー)

建築構法の変革 (建築ライブラリー)


1998年出版なので、『これからは性能設計の時代だ!』という空気感の中で出された本です。
各部材のモデル化を適切に行い、出てきた応力で設計すれば、正しい設計だとか書いてあります。そんでもって、仕様規定は科学的ではないので性能設計を行って、高い技術力を使うべきだとも。
で、性能設計って何さ?

従来の設計手法を「仕様規定」とし、性能設計を「性能規定」とし考えてみます。 「仕様規定」は、材料・構造・設計計算方法などが仕様として細かく規定され、新技術や新工法が採用されにくく、新しい技術の開発意欲が阻害され、国際通商の障壁が指摘されていました。「性能規定」は、構造物に要求される性能を照査する規定で、新技術や新工法でも、構造物が要求する性能を満足すればOKとするものです。

これが模範解答になります。
私の独自解釈としては、『設計したものが実現象に1対1対応していなくても、なんとなくもっていれば仕様規定型設計』『設計したものが比較的実現象に1対1対応していれば性能設計型』です。
例えば、小梁の下端ひび割れが気になるから下端主筋を倍入れておく。これは仕様規定型設計。定量的じゃないもんね。小梁の下端下端ひび割れ幅を0.10mmになるように、主筋の応力度を制限して設計を行うのが、性能設計。過去の得られた知見をもとに設計指標を定めて、それを満たすように定量的に設計しているというわけです。
構造設計業界では、何でもかんでも性能が~とか言われていますが、本来の意味での性能設計を本当に行っているのでしょうか?どいつもこいつも、難しそうに見えるくだらない解析を行っているだけにしか見えません。超高層と原発くらいじゃないの?評定内容と、実際の地震応答結果を比較しているのは。そもそも、性能設計の時代と言われているのに、小梁のひび割れ幅を目標に設計している人間なんて、極めて少数しか見たことがありません。あれは立派な性能設計なのに。
RC規準なんかも、よく読めば各所で許容できるひび割れ幅をもとにして断面設計式が定められており、そもそもが一種の性能設計型の設計指針となっています。新しい規準で、わけのわからんモンになってしまいましたけどw
ついでに言うと、性能設計の問題は、性能の目標を定めるのは設計者なのですが、その目標の結果得られたものの妥当性を誰一人として確認していないことです。仕様規定は、過去においてなんとなく大きな問題もないままに大丈夫そうだというのが分かっていますが、性能設計ってどうなのよ?と毎度思っています。
とか言うと、あらゆる構造技術者から前時代的だと袋叩きにされそうですねぇ。私は性能設計を嫌っているわけではなく、性能設計と言って騒いでいる現実の見えない人たちが嫌いなだけです。

本書では、構造家>構造屋と定義し、構造屋は計算するだけの業者だとボソクソに書かれています。世間でもそう思われている節がありますが、構造屋が劣っているなんて誰が勝手に決めたのでしょうか?私は就職してからこの方、ひたすら申請屋と計算屋に徹していますが、一番困ったのが構造エンジニア気取りの馬鹿どもでしたので、見つけ次第徹底的に論破して馬鹿にしたうえで殲滅しようと思っています。
今だに適判がどうのこうので、法律が悪いと言っているモラルの高い連中が、どれほどひどい設計をしてきたのかを知っていますので、いい加減私もムカついてきたのです。

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