今期アニメ

大変豊作でございます。

クロスアンジュ 天使と竜の輪舞
エロ・グロ・ロボのおっさんむけ三点セット完備。これが深夜アニメやで。
クズ姫さまが大変良いので、最終回まで改心しないでね。

ガンダム Gのレコンギスタ
本命。
大変富野成分が強いため、抗体がないと見れないかも。
毎週新メカが出てくるあたり、かなり飛ばしてますね。
先ごろ完結したガンダムUCでは、可能性のなんちゃらとかやってましたが、その後の世界では人間を家畜として育てて喰っていたとかなんてデストピア。


アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」
1クールだっけ。話数が少ないだけあって最初から飛ばしています。
朱音ちゃんが前作で完成されているので、かなり強い悪役を配置しないと前作は越えられないなぁ。

ガンダムビルドファイターズトライ
これまた前作が大変良かったために、非常にハードルが上がっている作品。今度は3人一組のチームものとしての物語。フミナちゃんの胸部装甲の厚さにしかみんな反応してない・・・・。


Fate/stay night [Unlimited Blade Works]
なんだかんだでFateを見てしまう病。といいつつ、Fate/Zeroは5話くらいまでしか見てないな。いかんせんゲームをやっているので、話の展開がゆっくり過ぎると感じるのです。未読・未プレイの場合はこんなもんのペースかなぁ。

「Fate/stay night [UBW]」先行上映イベントの徳島会場には県知事が登場 - GIGAZINE

岩上敦宏さん(以下、岩):
まずは知事にお伺いしたいのですが、「#01 冬の日、運命の夜」はいかがでしたか?
飯泉嘉門知事(以下、飯):
Fate/Zero」を見ていた私にとっては分かりやすく、すんなりとストーリーに入り込むことができました。
岩:
Fate/Zero」は全エピソードをご覧になられた、ということですか!?

県知事も大変だよな・・・・・。


『楽園追放 -Expelled from Paradise-』
先に小説を読んでから見るか決めるか。


映画『インターステラー』オフィシャルサイト
上映時間が3時間近いのが疲れそうだけど。
ストーリーが全然わからんけど、2001年宇宙の旅と比較されているということは眠くなる映画何かなぁ。何度か見ようとしたけど、最後まで起きれてたためしがないわ。

帝冠様式で重要文化財

愛知県庁、頭のお城は郷土愛? 昔「ファシズムの権化」:朝日新聞デジタル
和洋「帝冠様式」を評価…名古屋市・愛知県庁舎 : ホームガイド : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
珍しく2棟並びで答申。

 帝冠様式は、洋風の建物を和風の屋根が上から抑える造形から、軍国主義ファシズムの反映と位置づけられることが多かった。

相変わらずファシズムとか言われていますが、井上章一氏により無関係だと実証的に反論されています。

絶版で値段上がっていますが、再販のチャンスですよ。戦時下の建築家をちゃんと描いているのでオススメです。
この本が出たときには、京都大学布野修司先生は「粗雑な歴史観だ」と切って捨てた模様ですが、今回の重要文化財指定に対してどんなコメントをしてくれるのでしょうか?普通に無視だと思うけどw
現在施工中の京都のフォーシーズンズホテルにせよ、オープン間もないリッツカールトン京都にしてもちゃんと勾配屋根が載ってます。これは琵琶湖ホテルから連綿と続く外国人向けの作法の一種なのでしょう。琵琶湖ホテル竣工時の1934年も確か『海外旅行者に泊まってもらおう!』がコンセプトでしたし。
リッツカールトンはケンプラッツでも取り上げられてたけど、つるっとした分物足りない感がありますね。屋根載せるからには、壁はテラコッタのギンギラギンじゃないと締まらないのかな・・・・。

 しかし、両庁舎の文化財調査に携わった京都工芸繊維大学の石田潤一郎教授(62)(建築史)は「軍国主義というよりは、名古屋城の意匠を取り入れ、郷土意識を表現する意味合いが強い」と指摘。「地域のシンボルとオフィスビルとしての合理主義が見事に調和した建物」と評価している。

と、正統派評価の石田先生。関西の近代建築の蒐集をひたすらされている方です。

読むところいっぱいあってつまみ読みなんだけど。
本書で触れられているモーラ式構造とやら。忘れ去られたシェル構造として紹介されているのが興味深い。現存しないみたいなんだけど、1939年竣工でナマコみたいな工場が写真掲載されています。この当時は、理論としては膜応力は日本でもありますし、1941年には京都大学で木造シェルの実験結果が報告されています。本書では、町工場で生まれたアイディアとして評価されていますが、時代背景を考えると案外理論的なバックグラウンドがあったのかもしれません。
この本、他にもいっぱい読むところがあるな。とても良い本。


香川、丹下建築の明暗(2)県庁舎はコスト比較を明示|日経BP社 ケンプラッツ
低層棟も高層棟も基礎免震の方向性とのこと。
前も書いたけど、低層棟が道路に近接しているので今の建物位置では基礎免震は非常に難しいと思われます。歩道の部分はすべて免震ピットにする感じになりそう。建物位置をバックさせようにも、今度は新しい高層棟との接続部を削ることになるので、結構な大工事です。
普通にこの手の建物を免震化してレベル2弾性限にもっていこうとするとベースシア0.15くらいでクリアランス600でしょうか?よりにもよってExp.J部はすべて人が乗ることを考え、かつバリアフリーのフラットレベルを達成しようとすると、結構難しい設計になりそうです。というか、基礎免震にするときの最大のネックはExp.Jの設計のハズなんだけど、誰もそれに触れんよね。国立西洋美術館みたいな全周落とし込みとかいう下品な設計にはなってほしくないものです。大林だっけ?頑張って。

シェル・シャーレン構造をたどる

日本におけるシェル(シャーレン)構造の入植ははっきりしていて、1937年の坂静雄著「鉄筋コンクリート平面および曲面の構造」で解説されたのが初めてになります。世界的には、ドイツにおいて1928年Zeiss Dywidag工法が解説され、1926年にプラネタリウムが建設されたものが初めてとされています。
Zeiss Planetarium (Jena, 1926) | Structurae
なので大体10年遅れくらいですね。
日本国内においては、その後すぐに太平洋戦争に入っていることから民間建物に適用されることはなかったというのは先日触れたとおり。ただし、「建築学の概観(1941~1945)」によれば、スパン15m程度の無筋コンクリートシェルの実施設計を行ったとのこと。航空技術研究所において載荷実験・耐弾実験を行ったとの記載があります。これ、掩体壕ですよね。残念ながら参考文献が書かれていないので1次資料には当たれませんでした。その他には、木造シェルまで格納庫として施工されたとのことですが、これも1次資料の参照はありませんでした。
戦中の動きとして変わり種は、前述の坂静雄氏の本が満州建築雑誌 第18巻 第3号にて紹介されています。中身としては、ぶっちゃけ難解だけど頑張ろう的なことが書いてあります。満州と言えば、一旗揚げにお調子者が山ほど行ったところです。当然、技術官僚も多く含まれていることから、何かしら実験的な建物を作ってそうなんだけど、どなたか調べた方はいますかね。植民地建築と言えば、名古屋大の西澤先生なんだけど、多分技術官僚までは追いかけていないだろうし。
上述のルートと、先日触れたコンクリート船のルートでもシェル構造を研究しています。
http://www.lares.dti.ne.jp/~obsidian/ysy/gihou/cons01.html

世界最強の海上陸軍である日本陸軍もまた、 コンクリート船の建造を計画していました。
満州で川南豊作氏の関与の下に2000総トン型の建造工事を行っていたものの 成否については不明、とされています。

と書かれていますが、まさに川南工業にてコンクリート船を設計していたのが満州→日大の加藤渉氏になります。これは近江栄著「建築への誘い」にて触れられています。さすがに戦時中のコンクリート船を調べてて、建築の入門書は読まんわな。
この流れで、小野薫氏とともに鶴見倉庫のシェル建造を行います。
コンクリート船と言えば忘れてはいけないのが、東大地震研の末広恭二氏です。強震計の開発者として有名ですが、もともとは造船技師で1919年にコンクリート船を設計しています。
第13話 日本人の創造性 | FEMINGWAY

末広恭二は高校時代、父親を亡くし、一時、三菱の岩崎家に寄食していたことが寺田の文にあります。その関係で三菱造船所と縁を持つところとなり、しばらくは造船工学を母体にして応用力学、振動工学を専門とするようになります。この時代、興味深いことにその当時でも珍しいコンクリート製の船舶を設計しています。後年、地震学に進んだのは、船舶関係の振動を研究していたことから来ているのは想像に難くありません。

建築構造学事始 | 地震工学の創始者:末広恭二のこと
上記サイトはいつも参考にしていますが、例の柔剛論争における末広氏のスタンスについて述べています。

CiNii 論文 -  初期の鉄筋コンクリート構造
上記は、藤森昭信氏が坂静雄氏に聞き取りをしたものです。戦時中の木造シェルに触れるなど、なかなか面白いのですが、藤森氏の最後の方の質問。

戦前に柔剛論争というものがありましたね。あの時真島健三郎氏が柔構造で、東京だと内藤先生、佐野先生のお弟子さんたちが剛構造で行く。東京でも小野薫先生は柔構造的な考えを持っておられて、京都の先生方も柔構造的な考えを持っておられたと聞いているのですが、いかがだったんでしょうか?

この話は初めて聞きました。ソースが藤森氏なので、結構怪しい気配がしますが、実際はどうだったんでしょう。小野薫氏はたわみ角法をバリバリやってたけど。。。。。
藤森氏の記憶が確かだとすると、柔剛論争って、正統派ラーメン屋vs計算お化けのシェル屋でもあったんだよなぁ。そしてこの構図は今でもずっと続いているので、柔剛論争は終わっていないんですよね。

と、シェルを調べてみたのは、シュペーアゲルマニア計画のドームが異常なでかさで、当時実現可能だったかを知りたかったのです。
世界首都ゲルマニア - Wikipedia
球殻シェルではないみたいなんだけど、技術的裏付けはどうなっていたんでしょうかね。塔頂300mはちょっとやそっとではできません。ゲルマニア計画と言えば、都市計画分野の人が多く研究しているけど、当時のドイツのシェル技術で可能かどうかの検証を見た覚えがないです。
満州の建築にせよ、ゲルマニウム計画にせよ、技術官僚や大学教授が多くの協力をしたのは確かであり、それらの成果を発掘した方が後の世のためになるかと思います。まぁ、戦争責任云々と面倒なことを言う御仁が湧いてくるのが目に見えるので、アンタッチャブルですな。

東京大学第二工学部の光芒: 現代高等教育への示唆

東京大学第二工学部の光芒: 現代高等教育への示唆

この当たりの本が面白かったので、ヒーローではない技術者についても誰かまとめて欲しいものです。

読了めも

大日本サムライガール 8 (星海社FICTIONS)

大日本サムライガール 8 (星海社FICTIONS)

現在進行形の社会情勢にフィットさせようとしているのか、作者の荒唐無稽な無茶苦茶さがなくなったのが残念なシリーズ。毎回登場人物増えてるけど、うまく風呂敷たためるんだろうか。
それはともかく。ひまりんが200兆まで国債OKとか言っているので、はよやれや。
ゴーストマン 時限紙幣

ゴーストマン 時限紙幣

華麗な銀行強盗劇かと思って買ったのですが、その期待は外れました。
だけどピカレスクロマンとしては一級の品。
新常識とは言うものの、日ごろからニュースを確認していればOKな内容。大方の概念はほとんど変わらないんだろうけど、使っている定数の桁数とかが研究によって大きく絞り込まれてるんだろうなぁ。
ちはやふる(26) (BE LOVE KC)

ちはやふる(26) (BE LOVE KC)

太一闇落ち。
ピルグリム〔3〕 遠くの敵 (ハヤカワ文庫NV)

ピルグリム〔3〕 遠くの敵 (ハヤカワ文庫NV)

日本語訳は3冊分冊だけど、原著700ページの枕本ってどんな拷問よ。長いのは、主人公の回想があるからで、マンハントのみをまとめると結構短くなるかな。
イスラム国に空爆を仕掛けているタイミングで映画化決定ですか。いいんだけど、クライマックスの拷問シーンを描けるかどうかで映画の出来が決まりますね。たいへん鬼畜で外道なやり方なので、映画化は無理だと思うんだけど。。。。
妄想かもしれない日本の歴史      (角川選書)

妄想かもしれない日本の歴史     (角川選書)

先日、士農工商というのは今の歴史教科書に載っていないことを知りました。私はこれで習ったんだけど、いつものように戦後のマルクス階級史観によって形作られたもののようです。
イデオロギを通すことなしに歴史を記述するというのがいかに難しいか。そもそも、歴史というのは勝者の妄想ではないのか?これは日本に限ったことではなく、古代より津々浦々での普遍的な人間の業なのかもしれませんね。
ハヤカワ文庫で復刊されていたので確保。
世紀の空売りのラストでソロモンの顔役と会うところまでがストーリーかな。
マイケル・ルイスの新刊もやはり金融がらみのところからすると、結局彼は業界と縁が切れなかったようで。
ヒトラーとナチス第三帝国 (洋泉社MOOK)

ヒトラーとナチス第三帝国 (洋泉社MOOK)

割と左寄りの著者たちによるムック。戦争から国内政治、経済政策に至るまで簡潔にまとまっているのでなかなか良い本でした。
モダニズムと独裁・革命との親和性に触れられていますが、私は納得。ただし建築家業界はこんなことを言うと怒り出すんだろうねぇ。
宿命の対決も両者MIA。落としどころとしてはこんなところか。
漫画家の方々とよしながふみ氏の歓談。基本的に皆さん、過去作品の参照でおしゃべりされるので内容知らないとついていくのがつらいなぁ。典型的なオタクで研究者の鑑です。同人誌は各自の学説(妄想ともいう)の論文発表の場とまで断言されています。

そうそう。自分は<攻>に乗り移る方なんです。もともと本格的に同人誌を始めたきっかけは「犯したい、小暮。なんてかわいいんだー」って思って。

この流れが本物。
「愛すべき娘たち」でも女友達に向かってこういう台詞ありましたね。よしながふみ氏の漫画が男性に受けるのは、こういうバックグラウンドがあるからかもね。
この企画を続けていただいて、30年モノの熟成貴腐人である五代ゆう菅浩江森奈津子 あたりと座談会して欲しいなぁ。

読書の秋

村上春樹が秋の季語と化した2000年代。やれやれ、僕は本を積んだ。
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神田の南洋堂で、秋の古本まつりフライングのセールで確保。1冊200円の投げ売りセールごちそうさまです。下田菊太郎の本はいつか読みたいなと思っていたのでかなりの僥倖

秋と言えばジェフリー・ディーヴァー新作の時期。月末ね。

ゴースト・スナイパー

ゴースト・スナイパー

あと、21世紀の資本論は年末。
21世紀の資本

21世紀の資本

書いてある内容は大体わかったような気がするけど、なぜこの本が流行っているかのちゃんとした考察が欲しいよね。たいへんお高い本なので、あとがき立ち読みでもいいような気がしますが。まぁ、ショック・ドクトリンもクソ高かったことを考えるとこんなものかな。

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チュニジア料理食べてきました。妙に変わったところにばかり外食に行っている気がします。
ここ最近お会いした女史の皆様方のオススメ本・映画
ナチスのキッチン

ナチスのキッチン

テクノスケープ―都市基盤の技術とデザイン

テクノスケープ―都市基盤の技術とデザイン

サルバドールの朝 [DVD]

サルバドールの朝 [DVD]

この辺を学習したとしても、一向にモテそうにもないのは気のせいだろうか。

シャーレン構造見てきました

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三軒茶屋中央劇場。1952年くらいに竣工。
屋根はトンネル系のRCシェルになります。
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変なリブがついていますが、裏から見ればちゃんとしたRCシェルの顔をしています。スパンが10m強でライズが大きいですね。
CiNii 論文 -  トンネル系シヤーレン屋根を有する映画館に就いて
上記論文参照。
コンクリートはFc21程度、W/C=55%でスランプ19cm、混和剤はAE減水剤を使用。水セメント比が小さ目なので悪くないコンクリートじゃないかな。
RCシェルの建物の実際が見れないなぁと思っていたのですが、思いのほか近所にありました。現在はこの映画館は閉鎖されて再開発待ち。多分、現存する中では一番古いシェルじゃないのかな。
ほぼ同時期の昭和26年に、京大の農学部自動車車庫をRCシェルで作ったらしいといううわさは聞いているのですが、さすがに見つからんね。今もあるかどうか知りませんが。

さて、設計者の加藤渉先生。この方は、戦時中に関東軍に協力してコンクリート船の開発に携わっていました。その時500tと5000tの船を設計して、実際に進水まで行ったとのこと。長さが130mあったそうなので、そりゃ建築のシェルくらい楽勝ですわ。ひっくり返せばいいだけだからね。
で、妙なリブがついている理由も納得。アメリカのコンクリート船は完全なシェル構造なんだけど、日本のはキールが入っているのが特徴のハズなんだよね。多分その名残だわ。
安浦のコンクリート船
http://www.arch.cst.nihon-u.ac.jp/koho/shunken/pdf/19970706.pdf
http://data.jci-net.or.jp/data_pdf/25/025-02-2324.pdf

建築への誘い―先駆者10人の歩んだ道 (1982年)

建築への誘い―先駆者10人の歩んだ道 (1982年)

上記書籍によれば、加藤渉氏に仕事を持っていったのは京大の横尾義貫氏と増田友也氏とのこと。横尾氏の来歴によれば、昭和14~17年まで佐世保海軍建築部に所属となっています。その時には針尾送信塔は完成していますし、その時期は真島健三郎の直弟子である吉田直が海軍建築局長を務めています。また、同時期の佐世保においては耐爆構造のシェルっぽいものも実現されていることから、かなりの技術蓄積があったものと推察されます。
と、シェルを遡ると簡単に軍事技術につながるもんですね。現代日本においては、この手の話題は戦争協力だとみなされてタブーになるようなのですが、技術の蓄積という点において誰かがきちんと総括する必要があるのではないかと思います。

というようなことは、きっと建築学会から出るという噂の誰得指針である鉄筋コンクリートシェル構造設計指針の序論に書かれるハズ。

余談。
日ごろ何気なく使っている異形鉄筋とその継手。この技術のベースは、第1次世界大戦後にアメリカがコンクリート船を作るために大量に研究しまくった結果だそうです。
どこかの学術論文で読んだのですが、思い出したら追記しておきます。

それはいったい何の略なのか?

せん断力はなぜ「Q」なのか
構造設計をやっていると、色々なものをアルファベットで表します。当然、各種規準書では最初の方にアルファベットが何を表しているのかを一覧で示しております。
先日気が付いたこと。
断面2次モーメントはmoment of inertia of areaなのでIで表します。これは分かる。さて断面2次半径は現代ではiと書かれることが一般的です。radius of gyrationなので、筋から言うとrに何らかの添え字が妥当でしょう。
おそらく多くの構造技術者が断面2次半径は断面2次モーメントの親戚みたいなものだから、大文字・小文字の関係なんだろうで済ませていると思います。私もそうでした。
さて、手元に1950年発刊の建築慣用便覧(小野薫・清水一・共編)があります。これによると

断面2次モーメント:J又は(I),Iは漸次廃止する
断面2次半径:i又は(r),rは漸次廃止する

と一覧表に示されています。
挫屈理論,チモシェンコ著,1953
建築構造學,内藤多仲著,1952初版,1971,10版
あたりでは断面2次半径はrxとなっていたので、rはある時期までは市民権を得ていたようです。
それにしても、当時の通常の技術者が持っていたであろう慣用便覧なのに、Iは生き延びてrは死に絶えたのは何故なんでしょうか。
そもそも断面2次モーメントをJにしようというのは、慣性モーメントっぽい書き方なんだけど、何かしら解析力学屋の人が統合しようとした形跡なのか。そして断面2次半径のiとはいったいどこから出てきたのか。
上記コラムにおいて、

というのも、こういう類のことは、よほどのものでない限り何かの文献に載っているわけではなく、「本当はどうなのか」を確かめようがないものなのです。とくに、昔から慣用的に広く使われているものほどその出所が分からない、という傾向があるようです。その上、「誰かの気まぐれ・思いつきで命名され、いつのまにか定着した」ということだってないとは言えず、そうなったら「何の略なのか」を考えること自体が無意味になるでしょう。

という諦念の通り。
私が常々許し難いと感じているベースシア0.2の有効数字1桁というやる気のなさ。これも、1/10の2倍という意味合いしかないという脱力感。