読了めも

ヤバい統計学

ヤバい統計学

  • 作者: カイザー・ファング,Kaiser Fung,矢羽野 薫
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2011/02/19
  • メディア: 単行本
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題名を変えたほうがいいと思います。あまりに頭の軽そうな題名で損をしています。


行列の待ち時間が延びているのに、満足度が増すディズニーランドの仕組み。
統計学的には、飛行機の落ちる確率はランダムにもかかわらず国内航空会社に乗りたがるカラクリ。
ハリケーンのためのハリケーン保険なのに、巨大規模のハリケーンで倒産する再保険会社。


基本的に、現行のリスクの考え方は統計的に○○年に1度くらいの頻度でアクシデントが起きるから、この程度の安全率を見ておこう。というのが主流です。
ところが、今回の津波や原発のように極々稀で統計的にも無視してもかまわないような破滅的な事象がひとたび起きてしまえば、どうしようもない。そのようなシナリオをも内包するリスク管理は、そもそも理論的にありうるのか?と考えさせられます。


現在、地震防災系の研究者と政府関係者はそういったハザードのリスクを見直し、シナリオの再構築を迫られていると思います。彼らの活躍に期待。