伊勢崎~高崎周辺見聞録

現場に車で行くついでにいろいろ拝見。

スマーク伊勢崎 2008年オープン
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伊勢崎市のショッピングセンター。ビビッドな色使いをしていて騙されそうですが、あのでかい庇は折版に色を塗っただけです。壁もALC横積みでうまい具合に金かけずにデザインしています。しょぼいカーテンウォールもシャキッとしています。貧乏設計の代名詞である折版とALCでもこんなに設計できるんだよという例。鹿島の設計施工ですが、さすがです。上手。

群馬県農業技術センター まだ外構工事途中
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建築雑誌でいろいろ取り上げられていますが・・・・。ゼロ節で溶接していたり、あれこれ細部で好みが違うなぁ。建築家の人って、ボルトでなければ汚い溶接もOKの人が結構いますが、そういうのが今一つ分かりません。どういう計画をしようが別に良いと思いますが、あんまり作り込みに興味がないんだよなぁと思います。
構造計画的にゼロ節で溶接が出てきたと思いますが、他に解決の方法があったんだろうなぁ。もったいない。

伊勢崎市旧時報鐘楼 1915年竣工 鉄筋コンクリート造
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大正期の鉄筋コンクリートの鐘楼。
お隣は新しい小学校で、上手な設計でした。天井を低くすることで空間を良く見せる方法なんていくらでもあるんです。

玉村町役場水道庁舎上水道浄水場
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車で移動していて、田んぼしかない中に急に出現した異物。何だろうと思いましたが、浄水場の給水塔だそうです。これまた給水塔マニアというのが結構な数がいるので、細かい内容は彼らに任せよう。

パチンコ屋 スフィンクスⅡ
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スマーク伊勢崎の前にあるパチンコ屋。どう見てもスフィンクスです。ありがとうございました。夜になると目が光るそうです。規模的に保有耐力の計算がいる奴ですが、設計楽しそうですね。
確認申請を出した時、役所の担当者困っただろうなぁ。立面図がスフィンクスって・・・・。

高崎白衣大観音 1936年竣工 鉄筋コンクリート造
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高さが42mくらいのRCの観音様。昔はこういうのを見ても何とも思いませんでしたが、実務の構造設計を一通りやって、この手のものを作る技術に興味が出てきました。昭和初期の段階では高層RCのノウハウなんて一切なかったはずなので、かなりちゃんと設計・施工されていないとこういう大きいのはできません。
実務設計は工学院大学(旧工手学校)の石川文二郎氏。

工手学校―日本の近代建築を支えた建築家の系譜―工学院大学

工手学校―日本の近代建築を支えた建築家の系譜―工学院大学

上記書籍によると、恐ろしいことにこの観音様は9層のラーメン構造だそうです。詳しくは書いてありませんが、今で言うPCa工法みたいなモンまで使っているようでなかなか興味深い。
そして、高崎の山でエンヤコラ観音様を作っていたまさにその時、ブルーノ・タウト高崎市に逗留していたという史実も実に興味深いです。桂離宮を絶賛したタウト先生が、このガチガチの最新技術による観音様を見たら卒倒しちゃいますよ。なぜ近所で観音様を作っていたのに、手記にはその感想が載っていないかが不思議でなりません。
高崎白衣大観音/高崎市

像の原型は、鋳金工芸家森村酉三氏が制作し、完成した原型を池袋にあったアトリエから、日本橋の井上工業東京支店まで自転車で運んだのが、当時井上工業に入社して間もない田中角栄元首相であったという逸話が残っています。

なんかすごい逸話だぞ。

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現場は進むよどこまでも。
年内最後の配筋検査は27日やで?それ以外は却下よ!ともう10回くらい言ったな。