地震力

震災調査:耐震基準強化を求める一方で過大化も懸念
不謹慎で恐縮ですが、今回の地震でそんな目立った地震被害がありましたっけ?
耐震補強していない古い建物が倒壊・大破→想定通り
耐震補強した建物が大破→倒壊していないから想定通り
天井が落ちてきた→マトモに設計・監理・施工してないから当然
Exp.Jの脱落→昔から連綿と続く難しい設計です
というわけで、地震の卓越周期に助けられた面もありますが、今まで培ってきたものが大きく間違っていなさそうだという結論が得られそうな気がします。
が、皆さん無駄にマジメなので一生懸命規制強化しようとしてますね。
そんなことよりも、耐震化率70%程度しかないことを踏まえて、さっさと建て替えるか補強するよう誘導するのが先決でしょうに。
設計者様の考えることはわからん。
長周期地震が騒がれていますが、そもそも長周期建物を実際に設計したことがある人間がどれだけいるんだろうか?騒いでいる人の10%もいない気がします。そのなかでも、実体波と表面波の違いがわかっている人も少ないんだろうなぁ。踊らされすぎです。
先日、某N建設計の人とお話したときに、200mクラスの超高層でも純せん断串団子でPδ効果もモデル化しないときいて愕然としました。耐震の超高層で2次モードがぜんぜん立体とあってないって、ちょっとマズくないですかい??2次モードの減衰で50%とかになってないか?
と聞いたところ、『最近はモデル化なんかしないし、ソフトに入らないものはやらない』ときっぱりいわれて愕然としました。そんなもんか・・・・。しっかりやってくれー。


という個人的意見もあり、私はよく地震をなめていると言われます。
が、建築基準法に定める地震力は重量×0.2と非常に大雑把な上に有効数字が1桁しかありません。この数字に対して検定比が0.95だの0.99だの2桁の数字で語ることは、工学的にはそんなに意味がないです。0.2という数字も別に根拠があるわけでもなく、水平震度0.1を変えるときに『水平震度0.2で短期許容応力度倍にしたら今までの法体系の連続になるし、それでいこーぜ。』みたいなノリで決まっているので、あーだこーだ言っても仕方ないと思っています。とりあえず、大きな問題にはなってないし。
ちなみに、地震よりも重力や風によるチョンボのほうがはるかに多い上に、設計者の手腕がモロに出るのでそちらを重視しています。
重力>風>車>地震 の順番にちゃんとやっています。
世間では、
地震>>>>風>>>重力>車 見たいです。
車庫の上の3mオーバーハングをφ70の鉄骨柱で支えているのを見ると、ドキドキしませんか?せめて根巻きしてくれ。事故したら、建物崩壊するんだよ・・・・
跳出し庇は吹き上げCf=2.0で決めてくれ・・・・台風で飛んでいくんだよ。
小梁の下端はもっと鉄筋入れてくれ・・・・割れて垂れるんだよ・・・・。
まぁ、この話は小ぶりな4号建築物の話で、20m越えたらちゃんとマジメにやりましてよ?


工事監督物語(最終回) 工事監督への試練
大いに創作ですので、苦笑することもありますが。
最近の大企業さんでは、研修をしっかりやるそうですが、個人的には実地で殴る蹴るぶっ飛ばされるの3コンボで、大概のことは覚えてきました。
某文化センターの現場では、『クソッ!こんな過密配筋で強度まで変えやがって!!構造担当者シネッ!シネッ!』と思いながら、竹のツコツコでCON打。
某マンションの現場では、『クソッ!こんな過密配筋で太径鉄筋で全く納まってない構造図持ってきやがって!構造担当者シネッ!シネッ!』と思いながらバイブ振り回してCON打。
一方、設計側になってみれば『貴様ぁ!こんな配筋できるか!!』とかなんとか怒鳴られながらも何とかやっていく。
あたりの、昔ながらの現地・現物・現時がモノを覚えるには一番だよなぁ。
あとは、私が新人のころは間違いに寛容でした。
若いうちにチョンボできて良かったとも思います。