新国立競技場で思うこと その2

あんまり筆は進まないですが、あまりに無茶苦茶な話ばかりがweb上にあるようなので。

東京新聞:「新国立」かさむ建設費 巨大アーチ開閉式屋根 難工事:社会(TOKYO Web)

設計段階から施工会社を選ぶのは異例だ。

まじかよ!!!初めて聞いた!
建築家協会とかに取材したんだろうけど。
いやー、あれだけゼネコンに後始末させといてこの言いぐさ。その健忘症の脳みそを分けて欲しいです。

構造設計家の渡辺邦夫さんは「新競技場の形は構造的には全く非合理だ。それを実現しようとしていろいろな所に無理が生じている」と指摘。

最初の案はものすごい力技がいるなと思ったけど、日建の案は立ちそうに見えます。私の目が変なんですかねぇ。日経アーキテクチャ7月号にて川口衛先生のコメントは下記の通り。p45より抜粋。

(前略)
他の施設も失敗はゼロではない。僕たちは、その種の失敗は少なくともしないようにしていかなければならない。予算も期日も守り、安全を確保する。新国立競技場の設計はかなりいい線をいっている。興味を持って見守ってほしい。

だそうです。
一部のマヌケな建築家は、今回の新国立競技場を鳥の巣になぞらえて批判していますが、その節穴な目玉が気の毒である。
思い付き1
構造屋的には、キールアーチがどうのこうのは建て方と温度応力の処理が難しそうだなと思うけど、他は適度な力技で行けそうに見えるのは前書いたか。
開閉式の幕屋根は難しいね。ノーアイディア。膜が軽いから駆動部に大きな力は必要なさそうに見えるけど、膜応力状態になっているものをいったん除荷して収納なのかな。そして面積がでかいので、どの程度の膜の剛性にするかをどーやって決めるんだろ。それなりに剛性がないと、風によるフラッタリングが心配。
思い付き2
今回の屋根の形って、楕円形の殻に等分布荷重を仮定して必要な個所を残したようにも見えるのです。誰か似たようなプロポーションで拡張ESO法でやったらどうなるか教えてちょ。


槇文彦が新国立に対案「無蓋化し子供施設を併設」|日経BP社 ケンプラッツ
反対している建築家の皆様がズコーッとこける音が聞こえました。
国際子供スポーツセンターという斜め下の発想ありがとうございます。近場の子供の国が閉鎖して取り壊されるんだけど、どう考えているのでしょうか。
はっきり言って、案の良しあし以前に日建設計の作ったパースに上書きは無いだろ。あまりに失礼なあり方に驚きました。
そういえば、建築家で槇文彦を担いで署名運動とかしてましたが、これを見て署名された方々に今の気持ちを聞いてみたいです。ねぇ、今どんな気持ち??みこしに担いだ老人が自爆すると、空気悪いだろうなぁ。
あれだけ景観とか、アイレベルとか批判しておいて出てきたのがこのポンチ絵。ふざけてるのかと。

参加と合意形成研究会ページ
http://www.cuc.ac.jp/~sahara/opss/opss2014survey,ref.data.pdf
ここでは、収支計算をして新国立競技場の場合はコンサート1回あたり3.4億円の納税負担になると述べられています。まぁ、誰も数字追わんだろうけどこのライフサイクルコストの計算根拠おかしいよ。ただ単に面積比で案分してるだけだもん。彼らの言うライフサイクルコストとやらが、この程度の認識しかないということです。これも斜め下の頭の悪さ。これが大学教授やってる方が税金の無駄。算数からやり直すべき。

http://www.jia.or.jp/resources/bulletins/000/045/0000045/file/o5FokBaG.pdf
JIAの機関紙。大野秀敏のトンデモ洋梨案と槇文彦の子供スポーツセンターのダブル老害コンビによる妄想。建築家協会はアホやろwwww

日本は世界一の公的債務を負っている国であり、7万人収容の横浜スタジアムの3個分に届かんとする法外な建設費用を賄うほどの余裕はない

いつもの俗流論を東大の先生がおっしゃっています。この国も終わってますね。老人は無視してさっさとかっこいいスタジアムを作って世代交代しましょう。

新国立競技場への建築家の異議申し立てには都市計画問題が抜けている - まちもり通信D版
結構興味深い記事。

さて2013年1月から2月にかけて2週間、この一般公開の意見募集という法的手続き中に、都民はどうしたのだろうか。今回の要望をした専門家の建築家たちの中の都民は、なにをしたのだろうか。
 もしも都民や区民が、あるいは有識者建築家たちが、あのデカさに反対ならば、この「神宮外苑地区地区計画」という都市計画案をこそ反対して潰すべきであったのだ。
 今回要望書をお出しになった「有識者」都民は、「これはデカ過ぎる」と、都市計画案に反対意見書をお出しになったのだろうか。公聴会で反対意見を公述したのだろうか。

 まさかと思うが、そのときはデカいコンペ当選案も、そのデカさを容認する都市計画の手続きも、どちらも知らなかった「有識」者であった、ってことはあるまいなあ。
 この春の都市計画決定時には、れっきとした法的対抗手段が保証されていたのに、なんで使わなかったのだろうか。1年も前のコンペに今頃反対するよりも、はるかに効果があっただろうに。

だそうで。twitterやら管巻いている暇があれば、皆さんいったらよろしかったのに。
結局何のアンテナも立てていないで孤立した活動家の姿しか見えません。

と、反対をする方々のあまりのばかばかしさと、くだらない連中の意見とやらを申す建築家協会という名のくだらないサロンに辟易とします。
自称有識者・自称進歩的知識人・自称建築家。同じカテゴリのリベラルの皆さんの断末魔ですね。牙城の朝日新聞にケチついたことだし、逃げるなら今なのに。
なんだか税金の無駄遣いだから作るなというのが良心的らしいですが、若者から技術習得の機会を奪っているだけに気が付かないのでしょうか?多分、気が付かないほど頭が悪そうなので建築家村の村長として適当に余生を送ってほしいものです。

で。

国立解体に談合情報、着工さらに遅れも|日経BP社 ケンプラッツ
このグダグダである。
私に言わせれば、元施工の大成が全てを仕切らないのが悪い。
清水はもともと工務店のオッサンの集合体で、派手なのはやらないイメージ。鹿島は東京駅、大林はスカイツリー、竹中はハルカス。大成よ男を見せろ!という一部の圧力を感じます。新海誠にかっこいいCMも作ってもらってさ!このシリーズ海外しかねーよ。

大体、図面がなくてお金がなくて工期がなくて人もいないの無い無いカルテットは、民間工事の日常です。1600億ぐらい何とかなるやろ。銀行がうんと言えば。

あ、ちなみに私はザハ案に反対でした。ずーっと前に北朝鮮に建てる方が向いてるなと書きました。
綾羅島メーデー・スタジアム - Wikipedia
もうあったわ。すまんすまん。15万人収容。さすがである。
私は一貫して仙田マン案を支持していました。最終7案のうち、一番ダサくて形が整形でパースが下手だからです。どうせ50年後には関係者がほとんど死んでいるので、どうとでも改造できるのがいいなと思いました。
が、後日談。実は木造だそうです。いやいや。これが最終案だったら、ゼネコン脱走するレベル。ザハでよかったね(小声

ザハ・ハディド日本初の大規模展、ドローイングや模型、新国立競技場の最新計画も展示 - art-designニュース : CINRA.NET
面白そうなので行こうかな。
ザハ事務所のパースだと、やはり背景は新宿超高層。都市の中のスタジアムというコンセプトは、今思えば良かったんじゃないかな。