新青山ビルヂング(1978年 S-24F)にて福和先生のお話を聞いているときに地震到来。
体感する振幅からして、変形角で1/500程度だったかと思います。
緊急地震速報は確か来たように思いましたが、まったく反応できませんでした。断続的な地震とともに、速報もばんばん来るのですが、状況がなんとなくわかっている私で歩くのがやっとでした。同じフロアで就職セミナーに来ていた女の子は、まったく身動きできていませんでした。


地震時に周囲を観察してみて。
・そとの景色が結構な速度で動くのですごい恐怖感です。自由振動に入っているのを認識できれば揺れが終わりそうかどうかわかりますが、普通の人はどんどん増幅されるように感じると思います。
・自由振動と思しき揺れが長いので、減衰が根本的に足りないと感じます。足せば十分かと思いますが。古い超高層で被災したのは技術屋としては良い経験になりました。
・窓から眺めたペンシルビルは、揺れすぎです。高架水槽もばっしゃんばっしゃんしていたみたいです。
・天井材がはずれて落ちかけてきました。システム天井は新しいようですが・・・・。


ムービーを撮るところまで気が回らなかったのが悔やまれます。すぐに外を見に行ってしまったので。福和先生ですら、ムービー取れなかったので許してください。隣の席の計測屋さんは動画とってた模様。さらに根性のある人はiphoneの加速度計で波形を取ってました。感心。
EVは復旧しませんでした。閉じ込めが多発していたのですが、ほとんど報道もされませんでしたね。


あまりに津波の被害が大きかったので、都市部のことはまったく報道されていませんが、仙台では外装材の崩落などあった模様。都内でも、天井材の崩落が建築センター(某ゼネコンTらしい)であったらしいと速報が。コストコの駐車場はなぜ??茨城空港の天井材とか釧路空港の教訓をまったく生かさないまま安普請で作った結果でしょう。
個人的に人の集まる空間にシステム天井は今の技術では問題が大いにあると思います。膜天井でも十分デザインできるわけですから、これは落ちることを前提にしたほうがいいのではないでしょうか。広い空間は避難場所として機能させなければならないのですし。


都心の被害が少なかったことで、海外から一定の評価をもらっているようですがとんでもない。地震波形を分析してませんが、おそらく都内の地震はレベル1ちょっと程度で、本番はこの5倍の応答になります。さて、今のままでは非常にまずいことがわかってほしいです。建物に関しては、補強すれば改善できるのです。打てる手は打つべきでしょう。
都内に関しては、今回の地震が非常に重要な予行演習になりました。願わくば、これを生かしてもらえるようお願いします。


個人的な心得。
・歩いて家に帰れる人は、帰れない人を集めて家にいったん収容する。
・システム天井は落ちてくるの前提でとりあえず机の下に入る。
・職場でも家でもないところで被災する可能性を考える。
・あせって外に出ない。カーテンウォールが外れる可能性と床が落ちる可能性でいくと後者のほうが可能性が低いです。


原発関連。
語るべきことはないですが、想定外の大地震、想定外の大津波、あらゆるフェールセーフが運用できない状況においても制御棒を突っ込んで核分裂反応をとめて、あとは冷やすだけというのは単純にすごいです。構造技術でいっても、40年前は計算尺の世界なわけですから建屋が損傷を受けていないのは、いったいどんな設計をしているのか不思議になるくらいです。これだけ壊滅的な被害を受ける中で技術屋さんが良くがんばっていた証左です。
むしろ気になるのは、普通の規準で作っている火力発電所です。
とりあえず、批判しかしないマスコミはだまっとれ。


こんなココアと小麦粉で逆断層のお話を聞いていたのですよ。
見える化しなくても実感してきました。

おおむね収まったところ。
すぐに地震波形生データがやってくるところは立派。
後で余震が多すぎて地震データが欠損しているという話もありますが、皆さんちゃんとデータ取れましたよね?これで一気に補強計画を進められます。

自宅はそれほどでも。

どさくさにまぎれて噴火してますが、東海・東南海地震はちょっと待っててください。あなたの出番は10年後くらいでお願いします。


盛岡で某文化財の調査をしようとしていましたが、どうも破損している状況のようです。