好みの差

スカイツリーで初公開、350m展望台と心柱制振
へー、すごいねっていう記事です。
連結制震で、ダンパーの取り付け写真が出ていますが、取り付け部が妙にしょっぱい。まぁね、応答解析して存在応力で設計したらこんな取り付け部になるような気がしますが、ダンパー本体よりも取り付け部の方が弱そうなんだわ。100tダンパーでばらつき考慮で設計用軸力120tくらいとして、最大変形の45度方向を考慮すると、せん断と引っ張りの応力を受けてこのボルト本数で設計できているように見えない。軸力が支配的なら、設計できてそうだけど。ぱっと見の話ですが・・・・。実際どうかは知らん。存在応力で設計できていたら問題ないという話もわかりますが、接合部は全応力で設計しとくのが筋じゃないかな。かくいう私も、設計不可能な場合はもにゃもにゃぐにゅぐにゅと存在応力でお茶を濁すこともありますけどw
連結制震って、Oさんが良くやっていますがどうなのかな。神戸なんとか通り計画という、耳になじんだ140mクラスの超高層マンションも、この構造計画でやっています。たまたまBCJのビルディングレターに掲載されていましたが、設計用ベースシア0.06って、ちょっとやりすぎじゃ・・・・・。レベル2で結構な塑性変形を許容してますし、地震のあとの補修でもめそうです。超高層免震やってたお前が言うなといわれそうですが、ねぇ。オイルダンパーが一番強力に作用する時は、最大速度のときでそれすなわちそれだけ相対速度が発生するということになります。ダンパーを有効活用しようとすればするほど、建物の揺れとしては大きな力を許容するというジレンマにおちいりそうなので、あんまし好きではないです。
なぜか、建築関係者ほど制震の方が格調が高く、免震は甘え(笑)ということを言われます。確かに、制震のほうがメンドクサイ解析が必要で、免震の応答解析なんて屁みたいなものなので、その批判は甘んじて受けていましたが・・・・・。よくよく聞いてみると、この手の発言をしている人はどっちもやったことがないどころか、応答解析すら知らないことが多いです。知ってて言ってるもんだと思ってたわ。世間は広い。
免震でいくと、中間階免震もありますけど、構造的にはともかくとして耐火関係が面倒なので、これまた好きになれないなぁ。免震下の躯体が怪物みたいな大きさになるし。
中之島フェスティバルタワー
コレとかそうですね。へー、すごいの世界です。
ホールの大空間の上にメガトラス!超高層!
弊社でコレの話題になったときに、「恥ずかしくてこんな構造計画提案できんわ・・・」という話になりました。力技でできるんだろうけど、あんまりエレガントじゃないよねぇ。日建設計の最近の建物って、すごくアトリエっぽくて好きになれないなぁ。日本を代表する組織事務所として、もっと堅実で合理的な建物を設計してほしいです。杭を90m打っています!というのは、自慢ではなくてヒドイ構造計画の末に行き着いた結論ではなかろうか。この手の建物が、今の時流に沿っているんでしょうが。
ま、これも好みの世界ですね。


グリー、ミクシィ、アメーバ 「日本代表として海外でも頑張ります!」
ライブドアといい、日本の新興企業でマスコミの注目を集める企業は、どうしてどいつもこいつもインチキくさいんだろうか。営業利益で50%とか、ただのボッタクリ企業なんだけど。どうせ3年もすれば消えるんだろうけどね。
超低収益体質の土建屋の僻みだろ、とも言いますけど、コレもまた好みの世界?